国語ドリルを買う上で、学研の「毎日のドリル」シリーズか公文の「小学ドリル」シリーズかで迷う家庭は多いのではないでしょうか。この記事では、実際に両方のドリルを使った経験のある元塾講師が、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
- どちらも基礎力をつけるためのドリル
- 学研の「毎日のドリル 文章読解 小学1年生」とは
- 公文の小学ドリル「1年生 文しょう読解」とは
- さらにハイレベルなドリルがやりたい!
- メリット・デメリットをそれぞれ比較しよう
どちらも基礎力をつけるためのドリル
最初におさえておきたいのは、学研の「毎日のドリル」シリーズであれ、公文の「小学ドリル」シリーズであれ、あくまで基礎力を養うためのドリルという点です。
そのため、すでに基礎は固まっているというのであれば、もう少し難易度の高いドリルから始めることをおすすめします。なお、のちほど詳しく説明しますが、学研の「毎日のドリル」のほうが公文の「小学ドリル」より多少難易度は上です。
学研の「毎日のドリル 文章読解 小学1年生」とは
「毎日のドリル 文章読解 小学1年生」について詳しく見ていきましょう。
アプリと連携してモチベーションアップ
学研「毎日のドリル」シリーズは、アプリと連携して進められる点が最大のメリットです。勉強するとエサがもらえて、かわいい動物のキャラクターを育てることができます。キャラクターの「ひみつ」を集めたり、「とくぎ」を覚えさせたり、「へや」を模様替えしたり、「しょうごう」をゲットしたりとさまざまな遊び方が可能です。
アプリとは別に、進捗管理のためのシールもあり、楽しく勉強できます。学習モチベーションを維持しやすいドリルであるため、わが家は算数でもお世話になっています。なお、「毎日のドリル」シリーズの算数についての記事はこちらを参考にしてください。
【算数】小学一年生の計算ドリルを買って比較。元塾講師のおすすめは - ノビコトwww.nobikoto.com
読解文がたくさん用意されたドリル
1~3単元目までは一文を読んでカッコを埋める問題です。4単元目では物語をいくつかに分けて読み取りを行います。ある程度まとまった量の文章を読むのは5単元目からです。以降、物語の一場面などがまるっと出題されます。
市販のドリルとしては一般的なステップアップの仕方でしょう。そうはいっても、まだ卒園したばかりの子供ですから、文章を読むこと自体に慣れていない子供も少なくありません。飛ばし読みをしてしまったり、途切れ途切れになってしまったりする子供の場合は、のちに詳しく紹介する公文のドリルのほうが合うはずです。
国語のドリル選びは子供の読解レベルに合わせて選んだほうがよいです。わが家は「毎日のドリル」を始める前に、一冊読解のドリルを終わらせていたこともあり、ふたりとも(男女双子です)そこそこ解けました。ただ、息子は読み飛ばしがちな上、なかなか見直しをする習慣が定着化しないため、毎度なにかしらのケアレスミスが発生していました。息子のようなタイプの子供の場合は、公文のドリルから始めたほうがスムーズでしょう。
模範解答があくまで一年生向け。中学受験家庭は注意
とりわけ中学受験をする家庭は、毎日のドリルの模範解答にひっかかりを覚えるかもしれません。設問に対する文末表現のチョイスが厳密ではないためです。「一年生のドリルだからそれでよい」といえばそうなのですが、「この解答の仕方に慣れてしまうのもどうなんだろう」と感じる部分がいくつかありました。
こうした傾向は公文のドリルにもありましたが、「毎日のドリル」のほうがやや多い印象です。たとえば、「どんなことをしますか」という問いに対する模範解答が「〇〇〇をします」となっています。しかし、これは学年が上がれば「〇〇なこと」あるいは「〇〇(名詞で終わる)」といった書き方をして初めて正解になる問題です。
もちろん、小学一年生には小学一年生なりの答え方があります。最初からあまり高いハードルを設定してもつまずいてしまうでしょう。その意味では「毎日のドリル」シリーズが設定しているレベルは、一般的な小学一年生にぴったりだと言えます。
ただ、中学受験塾で高学年の生徒に教えていたとき、「どんなことをしますか」という設問に対し、「一年生用ドリルの模範解答のような書き方」をしてしまう生徒は少なくありませんでした。文末表現は大切です。「一年生流」の答え方がそのまま定着化しないように、声かけをしたほうがよいでしょう。
公文の小学ドリル「1年生 文しょう読解」とは
公文の小学ドリル「1年生 文しょう読解」について詳しく見ていきましょう。
進捗をシールで管理
「毎日のドリル」シリーズ同様、進捗に合わせてシールを貼っていくページが用意されています。
丁寧にステップアップ
公文の「小学ドリル」は、まさに初めてやる国語ドリルという印象です。1文から情報を読み取る問題は1単元目だけで、2単元目~6単元目は2文からの読み取りです。7単元目に入って初めて多少まとまった文章(3文程度)が出てきます。続く8~11単元までは1~2文の読み取り、12単元目でまとまった量の文章読解という構成です。まとまった量の文章読解は合間合間にしかありません。これは後半に入っても同じです。
公文の小学ドリルは、あくまで小学1年生が無理せず学べるような段階的な内容を意識しています。この仕様を「簡単すぎる」と感じるか、「ちょうどよい。わかりやすい」と感じるかは人それぞれでしょう。
わが家の場合、娘は「簡単すぎる。おかげで自信がつく」と感じていて、息子は「わかりやすい」と感じているようです。先に「毎日のドリル」を購入していて、あとからこちらを買ったのですが、取り組む順番は公文→学研のほうがスムーズに運びます。
書く力より読む力に比重を置いたドリル
公文の小学ドリルは書く力より読む力に比重が置かれている印象です。「まとまった量の文章が少ないのに読む力?」と不思議に思うかもしれませんが、短い文章が確実に読めるようになれば、長い文章もおのずと読めるようになります。アプローチとしては丁寧です。一方で、最後まで単語レベルの穴埋め問題が多いので、「考えて書く」力が伸びなさそうな印象を受けます。
また、「毎日のドリル」と同様、模範解答が高学年であれば減点になるものもあります。たとえば、「文章どおりに書け」という問題でもないのに、答えを敬体(です・ます)のままにしているケースです。しかし、これは一年生の解答ではむしろ推奨されているので、学年が上がったときに注意してあげてください。
さらにハイレベルなドリルがやりたい!
基礎が固まってきたら、ハイレベルなドリルで実力アップを図りましょう。塾でも使っていた市販のドリルを紹介します。
はなまるリトル
大手中学受験塾の四谷大塚が出している問題集です。良問が揃っていて、勤めていた塾にも置いていました。キャッチーなデザインではないかもしれませんが、大型書籍で使いやすいです。中学受験をしない子供でも、学びの多い内容なのでおすすめです。
ハイレベ100シリーズ
その名のとおりハイレベルな国語に挑戦したいのであれば、ぜひ解いてみてください。ハイレベ100よりさらに上のレベルとして、「最レべ問題集」が出版されていることからもわかるように、「ハイレベルだけれど難しすぎない歯ごたえのある良問」が揃っています。こちらも勤めていた塾に置いていて使いました。もちろん、難関中学校を狙っているのであれば「最レべ問題集」もおすすめです。奨学社の問題集は質がよく量も多いのでコストパフォーマンスが際立っています。
メリット・デメリットをそれぞれ比較しよう
学研の「毎日のドリル」、公文の「小学ドリル」、どちらを選んでもメリット・デメリットがあります。
「毎日のドリル」は文章量が多く読み応えがあります。書く力も一年生の基礎レベルではありますが、ある程度要求されるドリルです。
一方、公文の「小学ドリル」は物語の場面を一気に読むようなページはほとんどありません。しかし、小分けにした文章をじっくりと読み込むため、段階的に読むトレーニングができます。
そのため、国語に自信のない子供は公文から始めて、毎日のドリルに移行するのがおすすめです。基礎が固まったら四谷大塚の「はなまるリトル」や「ハイレベ」シリーズなどにも挑戦してみましょう。
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