ノビコト

教育ライター 兼 双子母 が子供に関するあらゆる情報を発信

弱視のリスク。子供の目に違和感を覚えたら、早めに小児眼科へ行こう

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筆者の娘は「第一次硝子体過形成遺残」(略称:PHPV)という先天性の目の疾患を持っています。

 

遺伝性はなく原因不明の珍しい疾患です。

 

似たような疾患を持つ子供がいる方、あるいは子供の目に気になる点があり、病院に行くか迷っている方々の参考にしていただければ幸いです。

 

左右の目の大きさが異なる

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2016年、筆者は双子を帝王切開で出産。

 

ハイリスクな双子出産にもかかわらず、帝王切開予定日までなんの問題もなく、順調すぎるぐらい順調でした。

 

息子は体重3200g、娘は2800g近くあり、双子としてはかなり大きいほうだったそうです。

 

どちらも健康でなんの問題もないと言われました。

 

息子は「双子なのにまさかの3000g超え」と病棟の話題をさらい、夫に瓜二つの娘は「ナースステーションでもかわいいと話題だよ」と助産師さんに声をかけられまんざらでもない様子。

 

ただ、その娘の顔立ちには、気になる点がひとつだけありました。

 

左右の目の大きさが微妙に違ったのです。

 

看護師さんも医師も気に留めていなかったので、そういうこともあるのか、とだけ当時は思っていました。

 

ビー玉のように時折透けて見える目

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双子育児に追われる慌ただしい日々の中、時折娘の目に違和感を覚えることがありました。

 

最初に「なんだかおかしい」と思ったのがいつ頃だったかははっきり思い出せません。

  

左目だけ、やけに透明感があり、色素が薄く、まるで澄んだビー玉みたいに見えるのです。常時というわけではありません。時折、ふとしたタイミングでそんな印象を受けました。

 

周りに聞いてみてもよくわからないという返事が返ってくるばかりで、きっと気のせいだろうと自分に言い聞かせていました。

 

寄り目気味なのは偽斜視(仮性斜視)か

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娘も息子も当時、寄り目気味でした。特に娘のほうは寄り目が顕著で、最初のうちはビー玉現象よりもそちらのほうが気がかりだったぐらいです。

 

ネットで検索すると「偽斜視」や「仮性斜視」という言葉にヒットしました。周囲に聞いても口をそろえて「幼児期はみんな寄り目気味だけど一過性だよ」とのこと。ならばいずれ治るものだろう、と経過を見ていました。

 

結論から言うと、どうもこのときの寄り目は本当に偽斜視だったようです。しかし、視力と斜視には密接な関係があります。実際、娘の疾患でも、症状の一環として斜視が出るケースが少なくないようです。不安がある場合は小児眼科に足を運ぶことをおすすめします。

 

田舎住まいと育児の慌ただしさで、病院に行くのを躊躇っていた

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当時、わたしの住んでいた場所は山奥の田舎で、市内に小児眼科はありませんでした。車を持っているのは夫のみ。

 

双子育児で手いっぱいだった筆者は、「気のせいかもしれない違和感を理由に、遠方の病院を探すのはちょっと」と二の足を踏んでいました。今にして思えば一刻も早く病院に行くべきでした。

  

健診時に相談はしていた

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実は、自治体の健診時事前アンケートには「子供の目がビー玉のように見えることがあるか」という質問が設けられていました。何か月目の健診だったかはこれまたよく覚えていません。

 

健診時に対応してくれた助産師さんには、「気のせいかもしれないけど」と前置いた上で「時々娘の左目がやけに澄んで見える」と相談してみました。

 

すると、助産師は娘の左目をまじまじ見て首を捻り、「暗いところで目が光って見えることはありますか?」と尋ねてきました。

 

そうしたことはなかったので「いいえ」と答えると「それならたぶん大丈夫だと思うんですけど、心配だったら一度病院に足を運んでみては」と言われました。

  

病院に行ったのは夫の転勤後

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一歳一ヶ月のある日、とつぜん夫の転勤が決まり家の中はバタバタでした。

 

夜泣きが最高潮の頃に、引っ越し準備をしなければならないというのはなかなかにハードです。九時に子供を寝かせ荷物を詰めていると、火がついたように交互に泣き出し、まったく作業が進みません。

 

そうこうしているうちに生活が育児と引っ越し準備一色になり、更に寄り目も改善してきたことから、病院という選択肢がますます遠のいていきました。

 

きっかけはネットで見た写真

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ようやく新居での生活も落ち着いてきたとき、ふと思い立って「目 ビー玉」と検索しました。出てきた画像は瞳孔の一部が白く濁っている写真。瞳孔の一部が白いことで、光を反射しているように見え、ビー玉の印象を受ける、とのことでした。

 

ことここに来て、わたしは娘の目が深刻な病気かもしれない可能性に気づきました。

 

遅い、と批判される向きもあるかと思います。私自身そう思います。

 

娘を横たわらせ、上から目を覗き込んでみました。写真の事例と、まったく一緒の状態だということが理解でき、頭が真っ白になりました。一歳二ヶ月のときでした。

  

「もっと早くに診せに来てほしかった」

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近所の眼科に連れていき症状を説明しても、看護師さんたちは首を傾げていました。「うーん、瞳孔、白い? どこが?」とピンときていない様子。実際、家族も親戚も、娘と接していて誰ひとり気づかなかったのですから無理もありません。

 

しかし、医師に見せると、即座に「お母さん、お母さんの言うとおり確かに白いですね」と深刻な声音で言われました。娘は大泣きでなかなか検査は進まず、「小児眼科」が必要な理由がよくわかりました。

  

その病院では「先天性白内障」だと告げられました。

 

「おそらく娘さんの左目は濁っていて、ほとんど見えていないでしょう。

 

目は目だけあってもダメなんです。幼い内にちゃんと見る練習をしておかないと、たとえ眼鏡をかけてもよく見えるようにはなりません。これが、いわゆる『弱視』の状態です。

 

娘さんは瞳の中が濁っていて、モノを見る練習を一歳二ヶ月までできていない。

 

今から視力を伸ばすためには、手術を経て、アイパッチトレーニングを始めなければなりません。相当の時間が必要になります。

 

とりあえず手術できる医者を紹介します。こうした手術ができる医者は非常に限られているのです」

 

と言われました。

 

そして、「もっと早く診せに来てほしかった。せめて一歳になる前に」と締めくくられました。

 

身を切るような後悔と、娘に対する罪悪感で、涙を堪えるのに必死でした。病院を出た帰り道は号泣しながら歩きました。

 

気になることがあるなら受診を 

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結果として、娘の視力は当初の予想よりは出ていましたし、疾患は「先天性白内障」より更に珍しい「第一次硝子体過形成遺残」でした。

 

その後、症状が悪化して手術入院することになりましたが、水晶体の代わりに眼内レンズを入れて今は安定しています。

 

お伝えしたいのは、「なんとなく変だなあ」と思ったら小児眼科を受診してみてほしいということです。目の異常は早期発見が改善のカギとなります。

 

それなのに、進んで病院に行かなければ、三歳まで視力検査を受ける機会がないのです。とても怖いことだと思います。

 

子供に対して「ちゃんとしてあげられなかった」という後悔ほど辛いものはないです。

 

寄り目、目の大きさ、ビー玉のように見える現象。もし、子供の目にひとつでも気になる点があれば、一度、病院に足を運び、医師に診てもらってはどうでしょうか。

 

 

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