中学受験では親子面接を行う学校もあります。保護者としてはプレッシャーがかかるでしょうが、子供のためにもそつなくこなしたいところです。この記事では、元中学受験塾講師が親子面接の対策について紹介します。
なお、面接時に子供がよくされる質問についてはこちらの記事で紹介しています。
中学受験の面接ってどんな質問をされるの? 入試の成績だけじゃダメ?
面接の服装についての記事はこちら
【親子の面接マナー】入試対策は勉強以外にも? 面接にふさわしい服装を準備しよう
- そもそも面接で合否が変わるの?
- 中学受験の面接では「貴校」or「御校」?
- 親子面接は二種類ある
- 面接時の入室順
- 面接時の入室の仕方
- 面接時の退室順
- 面接時の退室の仕方
- 面接でやってしまいがちな失敗は
- 親子面接。保護者への質問は
- 面接は事前対策をして、落ち着いて臨もう
そもそも面接で合否が変わるの?
中学受験では、基本的に面接で合否が左右されることはありません。
しかし、合否のボーダーライン上に複数の子供がいる場合は話が別です。同点の子供を振り分けるための判断材料にはなります。また、あまりにも目に余る行動があれば、落とされるケースもあるでしょう。
中学受験の面接では「貴校」or「御校」?
御校のほうが話し言葉としては適切です。ただし、保護者が使う分には「御校」でよいですが、受験生が「御校」は堅苦しすぎます。「〇〇中学校(学校名)」「この中学校」といった表現でよいでしょう。
親子面接は二種類ある
親子面接は親子で同時に面接を受けるスタイルと、子供は子供、親は親で別々に面接を受けるスタイルの二種類があります。受験校がどちらなのか、調べておきましょう。
面接時の入室順
面接時の入室の仕方や入室順を紹介します。
親子同時に面接を受ける際の入室順
一般的には、両親と子供で面接を受ける場合は、父親→子供→母親の順に入室と言われています。ただ、これはジェンダー的に古臭い習慣ではあるので、先進的な学校だと逆に受けが悪い気もします。とりわけ女子の自立を重んじる学校だと、前時代的な印象を与える可能性が高いのではないでしょうか。
あくまで子供が主役なので、「子供が先、両親が後」でもよいと個人的には思いますし、そう変わっていってほしいです。ただ、現状としては多くの家庭が父親→子供→母親順に入室しています。
父子・母子で面接を受ける際の入室順
主役である子供が先です。その後に父もしくは母が続きます。
面接時の入室の仕方
面接時における具体的な入室の仕方を見ていきましょう。
ノックの仕方
「次の方」と室内から声がしたら、ノックをします。ノックの回数は諸説ありますが、三回ぐらいがよいでしょう。実際には、最初からドアが開いている学校のほうが多いです。「どうぞ」と促されたらドアを開けます。
最初の挨拶
入室時に、「失礼致します」と一礼します。必ず面接官と目を合わせてから一礼しましょう。
扉を閉める
最後に入室した人が扉を閉めます。扉を閉める際、お尻を面接官に向けるのは失礼なので、なるべく横向きの角度に調整して両手で締めましょう。
入口付近で足を止めて挨拶
全員もしくはひとりで入室したら「よろしくお願い致します」と一礼します。
椅子の横に移動する
「どうぞ」と言われたら「失礼致します」と言って座ります。「〇〇と申します。本日はよろしくお願い致します」とあいさつするのもよいです。
ただし、室内に入って何度も改まった挨拶をするのも仰々しいでしょう。相手の反応を見ながらちょうどよい加減で挨拶できるのが理想的です。そうはいっても、親子揃っての面接の場合は、子供のタイミングにも合わせなければならないため、臨機応変な対応は正直難しいでしょう。
いずれにせよ、受験の面接はあくまで「確認」であり、マナー自体を採点されているわけではありません。礼儀正しく振舞おうという姿勢があれば、ある程度のことは大目に見てもらえるので、あまり気にしないでください。
面接時の退室順
面接時の退室の仕方や退室順を紹介します。
親子同時に面接を受ける際の退室順
入室時同様、父親→子供→母親が一般的です。
父子・母子で面接を受ける際の退室順
入室時同様、子供が先です。その後に父もしくは母が続きます。
面接時の退室の仕方
面接が終わったら、起立し「有難うございました」とお礼を述べてお辞儀をします。「有難うございます」は相手の目を見て言いましょう。
父親→子供→母親の順にドアの前に移動し、三人並びます。父親が「本日は有難うございました」と言い、子供と母親が「有難うございました」と続けます。そして三人でお辞儀をし、退室します。
ただし、これもやはり入室順退室順同様、古いジェンダー観に基づくマナーなので、先進的な学校ではあまりよい印象にならないのではと個人的には思います。徐々にこのあたりのマナーは今後変わっていくのではないでしょうか。
面接でやってしまいがちな失敗は
面接でやってしまいがちな失敗は以下のとおりです。
親が口を挟む
親子面接で一番やってしまいがちなのは、子供への質問に親が口を挟んでしまうケースです。子供の受け答えが心配なのはわかりますが、あまりよい印象を与えないので、やらないようにしましょう。面接の主役は子供です。
子供が親の顔色を窺う
受け答えをする際に、子供がすぐ親の顔色を窺ってしまうのもよくありません。子供にはあらかじめ、自分の考えを話すよう伝えておきましょう。
座り方が悪い
背筋を伸ばして足を閉じて座りましょう。塾で面接の練習をしたときも、座る姿勢が時間とともに崩れてくる子供が多かったです。背もたれにもたれかかってしまうのはダメなので、これは練習しておきましょう。男性も足を開いてよいのは拳一個分程度までです。
黙り込んでしまう
すぐによい答えを思い浮かばない質問をさせても、ただ黙り込んでしまうのはよくありません。すぐには答えられない内容の質問をされた場合は、「まだ決めかねています」などと正直にその旨を伝えましょう。
以下は一例です。
親子面接。保護者への質問は
親子面接でされがちな保護者への質問をまとめました。
中学受験をした理由は
どうして地元の公立校には行かず、わざわざ中学受験をしたのかと質問される場合があります。私立中学校に魅力を感じていることが伝わる答えだとよいです。
この学校を受けた理由は
学校の魅力を伝えましょう。実際のところは、「家が近かったから」「受かりそうだったから」といった理由であっても、積極的な理由があったほうがよいです。
併願校はどこ?
ごまかす必要はありません。正直に受けさせる学校を答えましょう。学校側も併願校を把握しておきたいだけです。仮に、「貴校だけです」と伝えたからといって、それで評価が上がるというわけではありません。「第一志望校かどうか」について聞かれた場合も嘘をつく必要はないです。
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通学路と通学時間
通学路とそれにかかる時間を覚えておきましょう。通学時間が長いと、子供への負担も大きいため、学校側も「大丈夫かな」と懸念します。「通学時間が長いですが、大丈夫ですか?」と尋ねられたときにどう応えるのがよいかあらかじめ考えておくとよいでしょう。
教育方針を教えてください
子供への教育方針を聞かれることもあります。目先の中学受験対策で手いっぱいなのに、改めて教育方針を問われると困ってしまうかもしれません。
お子さんの性格を教えてください
子供の魅力が伝わるように話しましょう。「お子さんの長所・短所は?」と聞かれる学校もあるので、短所についても考えておいてください。
小学校で欠席が多い理由はなんですか
欠席が多かった場合は理由を問われることがあります。
面接は事前対策をして、落ち着いて臨もう
面接は緊張するものです。事前に練習をして、できる限り落ち着いて臨みましょう。相談すれば練習に付き合ってくれる塾も多いです。定番の質問等も把握しているので、わからないことがあれば、塾の先生に質問してみてください。
合格後の学習法も考えておきましょう。通信教育ではZ会の割合が高いです。
Z会中学生向けコースの資料を請求された方に、『中学からの正しい学習法』冊子を差し上げます。
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