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子供の早期教育に意味はない? いま流行りのモンテッソーリ教育って?

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教育熱心な家庭ほど、「早期教育」を意識します。早期教育といえば、以前は詰め込み型がメインでした。しかし、最近では、詰込み型とは一線を画す、モンテッソーリ教育が人気です。この記事では、これらの教育に効果はあるのかどうかを紹介していきます。

 

 

そもそも早期教育ってなに? いつから始めるの?

この記事で紹介する「早期教育」は、日本でよく使われる意味合いにおいての「早期教育」です。

 

すなわち、胎児や幼児のうちに教育を施すこと、あるいは小学校に入学する前のうちに、文字の読み書き・計算・外国語を教えることを指します。

 

(となると、先日ディズニー英語システムを購入してしまったわが家も該当しますね……! その記事はこちらから)

2019年リニューアル版ディズニー英語システム (DWE)を実際に購入。決め手はなに? - ノビコト

 

脳は三歳までに完成するって本当なの?

「脳は三歳までに完成する」という有名な言葉を聞いたことがあるでしょうか。早期教育の教室や教材では、よく謳い文句に掲げられています。

 

しかし、経済協力開発機構(OECD)の報告書では、「神経神話」として位置づけられているのです。つまり根拠がないとされています。

 

詰め込み型教育は脳に負担がかかるという実験結果

アメリカの実験で毎日一時間、6か月~10ヶ月の子供に早期教育のDVDを見せ続ける実験を行ったところ、脳の一部が委縮するという結果が出たそうです。

 

教育には適切な時期があるということですね。

 

モンテッソーリ教育の起源。マリア・モンテッソーリって誰?

最近早期教育で流行りの「モンテッソーリ教育」をご存じでしょうか。日本では「将棋の藤井聡太さんの通っていた幼稚園が、モンテッソーリ教育を採用していた」と一時期話題になりました。

 

モンテッソーリ教育とは20世紀初頭、ローマの医師マリア・モンテッソーリが実践した教育法です。

 

マリア・モンテッソーリはイタリア初の女性医師で、女性差別の激しい時代に逆境を乗り越えて医師になりました。女性医師ということで就職先はなかなか見つからず、ようやく職を得た精神病院は、患者たちを鉄格子のなかに監禁しているだけの施設だったといいます。

 

ろくに治療も行われない劣悪な環境下、マリアは知的障害児たちを観察。彼らに指先を刺激する玩具を与えることにしました。感覚を刺激することで知能は向上できるという確信を持ったのです。

 

実際、知能テストを実施すると、その知的障害児たちの知能は健常児たちを上回りました。教育界や医学界には激震が走ったそうです。

 

その後、1907年に貧困層の健常児たちを対象にした「子どもの家」と呼ばれる保育施設において、モンテッソーリ教育法を完成させました。

 

この教育の特徴は、自発性を重んじるところです。環境を整えておき、子供が自由に遊べるようにします。

 

モンテッソーリ教育の詳しい概要や実施園の情報は、こちらからどうぞ。

モンテッソーリ教育について | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所

 

子供の「自由遊び」は「教育」よりも語彙力を高める

モンテッソーリに限らず自由遊びを重んじる園はありますし、逆に徹底して教育型の園もあります。保育園見学に行くと「こんなにカラーが違うんだ」と驚かされるものです。わが家の双子は別園ですが、かなりカラーが異なります。

 

 

では、自由遊びを重んじる園と教育型の園、子供の発達にはどちらの園がよいのでしょうか。

 

心理学者の内田伸子氏の調査によれば、教育型の園と自由遊びの多い園に通うそれぞれの子供たちを比較すると、自由遊びの多い園の子供たちのほうが語彙力が高かったそうです。

 

子供が自身の興味関心に従い、遊びを追求していく過程こそが大切と言われています。

 

なお、3~5歳児に対して行われたある調査によると、習い事をしている子供のほうが語彙力が高いという結果が出たそうです。しかし、習い事であれば、どんなジャンルでもよいとのことですから、それが早期教育である必要はありません。

 

習い事の内容が問題なのではなく、普段と違う環境に身を置いて友達や先生とコミュニケーションをとることが影響していると考えられます。

 

詰め込み型教育は、子供の創造性や主体性を奪うリスクがある

モンテッソーリ教育のように自発性を重視する教育とは違い、世の中には子供を対象にした詰め込み型教育がたくさん展開しています。幼児期は子供のしたいことをすることが大切だそうです。

 

無理に教育を押し付けると、子供が創造性や主体性を手放してしまうリスクがあります。

 

たしかに、なにかを「させる」ことはなにかを「したくてする」時間を奪うことです。親のさせたいことが、子供のしたいことの妨げにならないよう、工夫していきたいものですね(わが家も)。

 

モンテッソーリ教育については本がたくさん出ています。

先日、私も評判のよい本の中から一冊選んで読みました。

 

文春文庫 相良敦子著「モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる お母さんの『敏感期』」という本です。

 

出版された時期がかなり前なので、「父親の不在」あるいは「母親への圧」を感じさせる時代遅れなジェンダー観が、ちょこちょこ顔を出します。そこは読んでいてあまりよい気はしませんでした。タイトルからして「母親」に限定していますしね。

 

しかし、子供に関する分析は大いに学びになりました。子供特有の「敏感期」、子供なりにルールを求める「秩序感」を理解することで、とっぴょうしもない子供のかんしゃくにも、「なるほど、いまこの子はこういう状態にあるのか」と納得できます。

 

納得できれば、子育てにおけるイライラも多少は緩和されるというものです。面白かったのでおすすめします。

 

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相良敦子著「モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる お母さんの『敏感期』」

 

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