子供たちにとってゲームはいまや一般的な娯楽です。しかし、勉強のために、ゲーム機を買わないルールを設けている家庭は少なくありません。この記事では、元塾講師の目線から、勉強とゲームを両立するための付き合い方の例を紹介していきます。
- 子供のゲームは禁止すべき?
- ゲームと勉強を両立するためにはルール作りが大切
- ゲームをプレイすることで勉強にメリットってあるの?
- 逆転の発想? ゲームを勉強に取り入れよう
- ゲームをやめさせたいとき、子供への声かけの注意点
- 息抜きとしてゲームとはちょうどよい付き合いを
子供のゲームは禁止すべき?
多くの子供はゲームが好きです。勉強とは比べものにならないぐらいのめり込む例も少なくありません。とはいえ、ゲーム機を買うかどうかは家庭ごとに決めるべきことです。安い買い物でもありませんし、目によいものでもありません。「うちは買わない!」と決めたなら、その決断は尊重されるべきです。
ただ、子供が「ゲームをしたい」と強い熱意を持っている場合、全面的に禁止にするのはあまりおすすめできません。
なぜなら、ゲームはいまや友達とのコミュニケーションツールだからです。プレイすることで輪に入れてもらえるケースもあります。中には「ゲーム機を持っていないから、ゲームをやらせてくれる友達の家に入り浸る」なんて子供も。そうなっては本末転倒です。
ゲームと勉強を両立するためにはルール作りが大切
ゲームと勉強を両立しようと思ったら、ルール作りが欠かせません。具体的には以下のとおりです。
ゲームのプレイ時間はあらかじめ親子で共有
私自身ゲームは大好きです。小学校に入ったあたりから、ドラクエ・FFをはじめさまざまなソフトをやり込んでいました。そのため、ついついやり過ぎてしまう子供の気持ちはよくわかります。
親が最初にゲームのプレイ時間を決め、共有しておくことが大切です。一度ルールを決めたら、なし崩しにならないよう例外の日は設けないようにしましょう。わが家では、「小学生のうちは一日30分、ただし友達とプレイする場合は一時間、中学生は一日一時間厳守」でした。
時間を決めたら「やるべきことを終わってからでないとプレイできない」ルールにします。これで勉強が後回しになることはありません。ルールを破ったらゲーム禁止などの罰則もあらかじめ決めておきましょう。
ゲームをする場所はリビング推奨
携帯機を自室に持ち込むと、親の目を盗んでこっそりゲームをしてしまう子供が出てきます。できるだけ居間で管理し、子供の部屋には置かないようにしておきましょう。
ゲームをプレイすることで勉強にメリットってあるの?
なんといっても、ストレス発散が手軽にできる点が挙げられます。また、私自身の話をすると、ゲームを入り口にノベライズやマンガも読んでいたため、学習面での学びも多かったです。
別の記事でも少し紹介しましたが、たとえば、久美沙織著のドラゴンクエストⅣ・Ⅴの小説は漢字の勉強にはうってつけ。今読んでも辞書を引く漢字が出てくるぐらい、子供向けに書かれていません。タニス・リー作品の浅羽莢子訳を彷彿とさせる、比喩の冴えが素晴らしい美麗な文体です。ジェンダー観に古い点があるところを除けば、今の子供たちにも響く物語でしょう。
ドラクエと同様、ゲームでノベライズ展開をしている作品は多いので、読書嫌いの子供の入り口にしてしまってはどうでしょうか。
逆転の発想? ゲームを勉強に取り入れよう
息抜きのゲームとは別枠ですが、教育系ゲームを勉強に取り入れるのもありです。
私が子供のころには、進研ゼミが「ポケットチャレンジ」という携帯ゲームのような教具を販売していました。高校受験の際には暗記科目でかなり助けられたと記憶しています。
いまはアプリなどでさまざまな教育系ゲームが出ていますから、取り入れてみるのもよいでしょう。
ゲームをやめさせたいとき、子供への声かけの注意点
制限時間を決めていても、タイミングよくセーブ(データ記録)できないゲームもあります。もし、子供が長引いていたら時間がきたことを告げて、「いつやめられるのか」を確認しましょう。時間が大幅にオーバーするなら理由をたずね、次からそうならないためにはどうすればよいか意見を出させます。
たとえば、「約束の時間がきたら必ずやめられるよう、できる限りこまめにセーブしておく」といった約束をとりつけるようにしてください。
ルールを決める際には、一方的に押し付けるのではなく、子供側から発案させることが大切です。親に押し付けられた約束ごとより、自ら決めた約束ごとのほうが進んで守りたくなります。
息抜きとしてゲームとはちょうどよい付き合いを
ゲームは、いつでも始められる手軽な娯楽です。ちょうど疲れたタイミングで一息つくことができます。のめり込み過ぎてしまう恐れもありますが、子供との間にルールさえ確立できていれば、大した問題にはならないはずです。
まずは子供と話し合うところから始めてみてはどうでしょうか。
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