中学受験を続けていると、成績が伸び悩んだり、子供のやる気が出なかったりとさまざまな理由で、諦めるタイミングを考える家庭が出てきます。この記事では、中学受験塾の元塾講師が中学受験を諦めるタイミングについて紹介します。
- 子供の悩みをヒアリングし、解決できるものかを考えよう
- 「中学受験をやめたい」子供に多い悩みって?
- 中学受験を続けるかどうかを判断する偏差値基準
- 中学受験をやめるならいつまで?
- やめるなら早めのほうがいいって本当?
- タイミングを間違えないで判断しよう
子供の悩みをヒアリングし、解決できるものかを考えよう
まず、子供の悩みをできるだけ聞いてあげるとよいでしょう。中学受験に臨む家庭は多忙です。日々のルーティンをこなすのに精いっぱいで、子供の悩みを聞いている時間をとるのは、どうしたって難しくなります。しかし、中学受験を目指す子供を見ていると、どの子も時期によって気持ちの浮き沈みがあるものです。そのときどきで解決策やケアを考えないと、受験を継続するのが難しくなってきます。
悩みの矛先がテストの点数や宿題の量のように、はっきりしていてわかりやすいものであれば、塾や家庭教師と連携して解決は可能です。
しかし、もう少し漠然とした悩み、たとえば「塾に行きたくない」「成績が上がらなくて不安」「日々の勉強が苦痛」「中学受験が怖い」などになると、なかなかすぐの対応は難しいです。その気持ちの原因を特定するところから始めなければなりません。
塾に通っている場合は、塾に電話して先生に様子を聞いてみましょう。塾にはしょっちゅうそういった電話がかかってくるため、遠慮することはありません。ただし、授業前や授業中の対応は難しいので、早い時間に電話することをおすすめします。午後から先生が出勤する塾なら、平日14時ぐらいだと対応しやすいです。土曜日なら授業後の時間帯を狙いましょう。
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「中学受験をやめたい」子供に多い悩みって?
子供の悩みとして代表的なケースにはどんなものがあるのでしょうか。
塾からのプレッシャーに耐えられない
中学受験塾では、基本的に生徒間の競争心を煽ります。成績をクラス分けや席順に反映させたり、点数自体公表したり、その塾によってやり方は違いますが、競争心を持たせて生徒を競わせようとします。
競争心を煽るアプローチがプラスに働きやすいのは上位生です。基本的に自信がありますから、プレッシャーにもそう簡単には圧し潰されません。そういう子供たちはテストをゲームととらえ、ライバルと競い合うのを楽しんでいます。しかし、成績がよくないまま停滞している子供にとって、こうした塾のやり方はついていけないものです。他人と比べられ続けるのは大きなストレスになります。
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勉強が苦痛
勉強への苦痛を訴える子供も多いです。授業を受けるのが苦痛という子供も当然いますが、よく聞くのは家庭学習がこなしきれず苦痛というケース。塾には友達がいますから、通うのは大変でもそれなりに楽しめます。
しかし、中学受験の要は家庭学習です。塾で学んだ内容をきちんと復習できたかどうかが成績を左右します。家に帰ると、宿題や予習復習など勉強に追われなければなりません。中学受験の範囲は広く、やればやるほどわからない問題にもぶつかります。時間がいくらあっても足りず、よほど意識してメリハリをつけないと、まとまった時間を趣味に割くことはできません。そのため、勉強が苦痛になってくるのです。
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長期にわたる中学受験対策が負担
中学受験は小学三年生の二月から始めます。そのため、受験までの長い期間勉強し続けなければなりません。自分の好きなことに割く時間が長い間減りますから、嫌気がさすのも当然です。
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中学受験を続けるかどうかを判断する偏差値基準
本人が受かるレベルに合わせて進学したいということであれば、偏差値でいえば40辺りが一つの目安といえます。40より下の偏差値の学校に行く場合、私立に行くメリットはあまり得られないのが実情であるためです。少なくとも、進学実績において見どころのある学校はほとんどないでしょう。もちろん、「入りたい部活がある」「教わりたい先生がいる」など明確に理由のある場合はその限りではありません。
中学受験をやめるならいつまで?
中学受験をやめるのであれば、六年生の秋までにしておきましょう。夏期講習を通して成績が変動した結果をチェックし、どのぐらい見込みがあるのかを考えて判断します。塾に相談したほうがよいのはたしかですが、基本的に塾は商売上、引き留める傾向にあります。ある程度自分たちで判断基準を持っておくことも大切です。
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やめるなら早めのほうがいいって本当?
子供の負担を考えれば、受験を続けるか、やめるかは早めに決断したほうがよいのは間違いありません。ギリギリになってからやめるとどうしても挫折感が強くなるためです。
ただし、子供が合格ラインに達するのは受験直前であることがほとんどなのも事実で、親からすると見極めは難しいでしょう。商売上のメリットを度外視して相談に乗ってくれる先生がいるなら、意見を求めてみてください。先生の多くは立場上、「諦めたほうがいい」とはなかなか言えません。しかし、「今のままでは難しい」ぐらいのことは言うでしょう。
いずれにせよ、子供が受験へのやる気を失ったままでは、本番に向けての追い込みもできません。モチベーションが低いまま逆転を狙うのは難しいです。早めに決断することをおすすめします。
【中学受験をやめたい!】やめるかどうかの決断。子供のやる気がなくなってしまったら - ノビコト
タイミングを間違えないで判断しよう
中学受験をやめるかどうかのリミットは六年生の秋です。子供から「やめたい」という声があがったら、親は子供と真摯に話し合い、どうするかを決めましょう。
もちろん、やる気がなかったのにある日突然火がつく子供もいるにはいます。そのため、親としては「もしかしたら」「もう少ししたら」と未来に期待を持つものです。
しかし、その一方で、子供にやる気がなく、時間とお金だけを費やし不合格になるケースもあります。
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塾に通っている場合は信頼できる先生からのアドバイスを聞いて、早めに判断しましょう。
私立校として受験するメリットがあるかどうかの境目は偏差値40で、それ以下だと進学実績的にも行く意味はあまりありません。ただし、それは一般論で、入りたい部活などがある場合は別です。
受験直前にやめるのは子供に挫折感を与えますし、負担も大きいです。なるべく早いうちに決断することをおすすめします。
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