中学受験の必須事項だとはわかっていても、天体の暗記を苦手とする子供は多いです。塾で「もうやだ! 先生、こんなの覚えられないよー」という嘆きを何度聞いたかしれません。
たしかに星の名前は長ったらしいカタカナで耳慣れない響きです。合わせて覚えなければならない情報もたくさん。この記事では、星について覚えておくべき知識とその覚え方を季節ごとに紹介します。
- 春の夜空 春の大曲線から探す春の大三角形
- 夏の夜空 夏の大三角形とさそり座のアンタレス
- 秋の夜空 秋の四辺形と神話の星座たち
- 冬の夜空 きらびやかな冬の大三角形
- 語呂合わせで大三角形・大曲線を頭に入れよう
- 星と星の位置的なつながりを意識して暗記しよう
- 記事を読んでも星や星座が頭に入らない場合
春の夜空 春の大曲線から探す春の大三角形
うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラを結んだものが春の大三角形です。探し方ですが、春の大曲線に注目してみましょう。
最初に、北斗七星を見つけてください。北斗七星の「ひしゃくの取っ手」部分を伸ばしカーブを描いていくと、橙色の星うしかい座のアルクトゥルスにぶつかります。さらにそのままカーブを描いていくと、白い輝きを放つおとめ座のスピカ、それからからす座に至ります。このカーブは春の大曲線と呼ばれるものです。
アルクトゥルスとスピカが見つかれば、正三角形になる位置に二等星デネボラを探すことができます。デネボラはしし座のしっぽです。しし座の心臓のあたりには一等星のレグルスがあるのであわせて覚えておきましょう。
春の星座はこちらの記事でも、ギリシャ神話を中心に紹介しています。
【北斗七星・春の大三角形】代表的な春の星座は? 名前・見つけ方とは
夏の夜空 夏の大三角形とさそり座のアンタレス
こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを結ぶと夏の大三角形ができます。8月上旬ごろであればだいたい9時頃、天頂付近に見つけることが可能です。明るい星ばかりなので空を仰げばすぐに確認できるでしょう。
ちなみにこと座のベガは織姫、アルタイルは彦星です。織姫と彦星を比較すると、織姫であるベガのほうがより明るく輝いています。夏の大三角形の星はいずれも白色です。また大三角形には含まれませんが、南の空に位置するさそり座の赤い星アンタレスも頻繁に出題されるため、覚えておきましょう。
夏の星座の記事はこちらです。こちらもギリシャ神話を中心にした紹介です。
【探し方・覚え方】夏の大三角形の星の名前は? 神話で知る夏の星座
秋の夜空 秋の四辺形と神話の星座たち
秋の夜空は神話で覚えると理解しやすいです。
勇者ペルセウス(ペルセウス座)は魔女メドゥーサを倒し、その血から生まれたぺガスス(ぺガスス座)に跨って故郷を目指しました。
その道中、エチオピアの王妃カシオペア(カシオペア座)の娘アンドロメダ(アンドロメダ座)に出会います。王女アンドロメダは海獣ティアマトの生贄にされかけていました。ペルセウスはアンドロメダを救い出し、妻として娶ることを許されます。
大まかなあらすじはこんなところです。秋の主な星座は、アンドロメダの家族で神話が構成されてるともいえますね。
あとは、ぺガスス座の身体の一部である秋の四辺形と、秋の一等星みなみのうお座のフォーマルハウトもおさえておきたいところです。
秋の星座の記事はこちらです。秋ならではの人間関係が濃密なギリシャ神話を紹介しています。
秋の四辺形(ぺガススの大四辺形)・北斗七星・北極星。秋の星座たち
冬の夜空 きらびやかな冬の大三角形
おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスを結んだものが冬の大三角形です。
オリオン座には赤色のベテルギウスと、青白い色合いのリゲルというふたつの一等星があります。ベテルギウスは近年暗くなっていることでも知られていますね。
オリオンの三つ星の線を伸ばすと、そこにあるのは全天で一番明るい白色の星シリウスです。ベテルギウスとシリウスを結び、あとはだいたい正三角形になる位置にプロキオンを探してください。
ちなみに、冬は大三角形だけではなく大六角形もあります。以下の図のとおりです。
冬の星座は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ミンタカなどの中学受験必須情報もあるオリオン座の記事はこちら
中学受験必須のオリオン座のミンタカ。アルニラム・アルニタクも
語呂合わせで大三角形・大曲線を頭に入れよう
春の大三角形の星座
うし(うしかい座)さん、しし(しし座)おど(おとめ座)しにびっくり
春の大三角形の星
春で(デネボラ)、す(スピカ)よ、アク(アルクトゥルス)ション起こそう
春の大曲線の星座
大熊(おおぐま座)が明日(あす/アルクトゥルス・スピカ)に向かってカーブする
春の大曲線の星
カーブ(大曲線)して歩く(北斗七星のひしゃくの柄の先端の星・アルカイド)歩く(アルクトゥルス)スピードアップ(スピカ)
夏の大三角形の星と星座
ある(アルタイル)日、わし(わし座)のところにデブ(デネブ)の白鳥(はくちょう座)やってきておおごと(こと座)だべ(ベガ)
冬の大三角形の星座
オリ(オリオン座)に来い(こいぬ座)、おおいぬ(おおいぬ座)
冬の大三角形の星
プロ(プロキオン)がしら(シリウス)べる(ベテルギウス)、冬の大三角形
星と星の位置的なつながりを意識して暗記しよう
中学受験の出題範囲は、夜空を彩るたくさん星のほんの一握りです。それぞれの季節の大三角形や四辺形を中心に、暗記を進めてください。
特に夏の大三角形と冬の大三角形は重要なポイントです。星座盤や夜空を見ながら、プラネタリアンのように解説してみるのもよいでしょう。
位置的なつながりを意識して覚えるとより忘れにくくなります。
記事を読んでも星や星座が頭に入らない場合
「記事を読んで頭に入った」というのが一番嬉しいですが、「記事を読んでも頭に入らない!」という場合は、DVD付きの子供向け図鑑をおすすめします。
DVD付きの子供向け図鑑では、小学館の図鑑NEOシリーズが圧倒的な売れ筋です。しかし、残念ながらNEOにはDVDのついていない図鑑がいくつかあります。「星と星座」もDVDなしの図鑑のひとつでした。
そのため、これまでは人に勧める際は講談社の動く図鑑MOVEか学研の図鑑LIVEのどちらかを選んでいました。
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しかし、2020年9月に小学館の図鑑NEO新版「星と星座」が発売しました。
DVDはドラえもんとのび太が100分も星空をナビゲートしてくれます。星座にまつわるお話の紹介があり、NEOシリーズのDVDの中では若干淡々としている印象も受けますが、小学生以上にはウケがよさそうです。
幼児だと好き嫌いがわかれるかもしれません。わが家の五歳児はすきで、星座の名前を着々と覚えています。人によって「記憶しやすい方法」は違うものです。娘と息子は視覚優位のようで、映像だとすんなり記憶できます。
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ちなみに旧版とは図鑑の内容も変わっています。最初のほうに星座や星にまつわる神話や伝説が見開きでいくつも収録されていますが、旧版とはガラリとチョイスが変わっていました。そのため、わが家では旧版と新版の両方をそれぞれ楽しんでいます。
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