塾講師時代、「作用点」「力点」「支点」の違いがいまいち理解できず、頭を抱えている生徒をよく見ました。この記事では身近にあるものを例に挙げながら、「てこの原理」を紹介していきます。
そもそもてこの原理とは?
重たいものを少しでもラクに動かしたいとき、てこの原理は役立ちます。
下の図を見てください。
ものを動かすときに「てこの原理」を利用すれば、通常より少ない力で動かすことが可能です。
「てこの原理」を考える上でのポイントは力点・支点・作用点の3つ。
その名のとおり、力点は力を加える点。支点は支える点、作用点は力が作用する点です。
身の周りにある「てこの原理」の具体例を見てみよう
身の周りで、「てこの原理」が使われているものはたくさんあります。テストにもよく出るので、以下見ていきましょう。
ホッチキスと「てこの原理」
紙を留めるのに便利なホッチキスも、「てこの原理」が活用されています。
ホッチキスの場合、手で押す部分が力点、ホッチキスの芯で紙をとめる部分が作用点、二つの部品がつながっているところが支点です。
シーソーと「てこの原理」
ひとりが下がり、もうひとりが上がるシーソーも「てこの原理」です。
体重をかけることで下がるところが力点、その結果上がるもうひとりのところが作用点、真ん中でふたりを支えているところが支点です。
ピンセットと「てこの原理」
次にピンセットです。こちらも「てこの原理」が使われています。
指で力をこめるところが力点、はさむところが作用点、二つがつながっているところが支点です。
はさみと「てこの原理」
日常的によく使われるはさみにも「てこの原理」が使われています。
指をかけて力を入れるところが力点、実際に紙を切るところが作用点、はさみが交差する部分が支点です。
ダブルクリップと「てこの原理」
プリント類をはさむのによく使うダブルクリップも「てこの原理」が使われています。図は横から見たところです。
つまむところが力点、つながっているところが支点、紙をはさむ部分が作用点です。
くぎ抜きと「てこの原理」
少しの力で釘を抜くことができるくぎ抜きも「てこの原理」です。
手で持つ部分が力点、くぎを抜く部分が作用点、曲がっている部分が支点です。
間違えやすい頻出箇所! 爪切りと「てこの原理」
爪切りに使われる「てこの原理」。間違えやすいだけあって、よく出題されます。テストの頻出箇所として覚えておく必要があるでしょう。
まず、爪切りには「てこの原理」を活用している部分が二組あります。以下の図を見てください。
上のチームと下のチームで分けて考えましょう。
テストでいちばんミスが多いのは、「上のチームの支点と作用点」です。
指で押すところが力点、棒がささって動かないところが支点です。下の板を押している(作用している)部分は支点ではなく作用点ですので注意してください。
続いて、下のチームを見てみましょう。上の作用点で押されているところが力点、支点は二つの板がつながっているところ、作用点は爪を切るところです。
ふたつのチームがあるので、難しく感じるかもしれません。よく理解しておきましょう。
身の周りにある「てこの原理」は頻出ポイント!
身の周りに、「てこの原理」を活用したものはたくさんあります。どこが力点で支点で作用点か、観察してみるクセをつけましょう。特に最後の爪切りは間違えやすいので、しっかり覚えてテストに臨んでください。
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