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ノビコト

教育ライター 兼 双子母 が子供に関するあらゆる情報を発信

簡易検流計の使い方や電流計との違い。乾電池の直列つなぎと並列つなぎ

塾講師時代、理科の授業で、八割近い生徒が「ここ、キライ!」と嘆く単元がありました。「浮力」、「てこの計算」、そして「電気」関連全般です。理科で計算が必要な単元を苦手とする子供はたくさんいます。

 

この記事では、電気の中でも「検流計と電流計」「乾電池の直列つなぎと並列つなぎ」への理解が追い付かない人に向けて、基本的な知識からわかりやすく紹介します。

 

 

電気の通り道

スイッチと乾電池と豆電球を正しくつないで回路を作ると、電球は点灯します。これは乾電池の+極から-極へ電気が流れているためです。

 

電流・電圧・抵抗の意味を知っておこう

電気を学ぶ上で、電流・電圧・抵抗は基礎的な用語です。

 

電流ってなに?

先ほど「電気が流れてくる」と説明しました。電気の流れのことを「電流」といい、電流がどのぐらいかを示す単位をアンペア(A)といいます。

 

電圧ってなに?
電流を流す働きです。単位はボルト(V)であらわします。

 

抵抗ってなに?
電流を流しにくくする働きのことです。単位はオーム(Ω)です。

 

電気はどんなものにも流れるの? 導体と不導体

電気はどんなものにも流れるわけではありません。電気を通すものと通さないものがあります。通すものとしては金属、通さないものとしてはガラス、ゴム、プラスチックなどが挙げられるでしょう。

 

電気を通すものを導体

電気を通さないものを不導体(絶えん体)

 

といいます。

電気が金属に流れる理由は、自由電子が多く含まれているためです。この自由電子はいわば電流の素。電流の素が金属内を移動することで、電流が流れます。

 

回路図の記号を覚えよう

電気の回路図にはそれぞれ記号があります。

豆電球・乾電池・スイッチ・検流計・モーターの記号は以下のとおりです。

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たとえば、乾電池とスイッチとモーターをつないだ回路図は以下のようになります。

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検流計(簡易検流計)の使い方

検流計(簡易検流計)とは、回路にどのぐらい電流が流れたのかを計る機械です。検流計には使う上での注意点がいくつかあります。

 

取り付ける位置は電池と豆電球の途中です。

 

検流計には「電磁石(5A)」と「モーター・豆電球(0.5A)」のふたつの切りかえスイッチがあります。いきなり電流が大きく流れて針が振れ過ぎないよう、「電磁石(5A)」のほうに切りかえてから使い始めてください。

 

5Aではなく、0.5Aを先に選んで、0.5Aより大きな電流が流れると故障の原因になってしまうためです。

 

なお検流計の針が下図のように右に振れた場合、電流の流れが左から右であるとわかります。回路のつなぎ方を逆にすると、電流の流れも逆になり針は左に振れます。

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検流計の目盛りは5まであります。目盛りを読むことで流れている電流がどのぐらいかわかります。

 

たとえば、切りかえスイッチが「モーター・豆電球(0.5A)」のときに、目盛りの3を針がさしていたら0.3A、4をさしていたら0.4Aです

切りかえスイッチが「電磁石(5A)」のときに、目盛りの3を針がさしていたら3A、4をさしていたら4Aです。

 

検流計の使い方まとめ

①検流計・乾電池・豆電球もしくはモーター、スイッチがひとつなぎになるようにする。

②検流計の針は0になるように調整する。

③針の振れすぎを防ぐため、切りかえスイッチを電磁石(5A)のほうにする。

④スイッチを入れる。

⑤電流の流れを受けて針がどちらに振れているかや目盛りの数値を確認する。

⑥針の振れが小さいときは、切りかえスイッチを「モーター・豆電球(0.5A)」のほうにし、目盛りの数値を確認する。

 

検流計(簡易検流計)と電流計の違いって?

検流計と電流計は名前こそ似ていますが、違うものです。

検流計はあくまで「電流が流れているかどうか」や「流れている向き」を知るためのもの。検流計の目盛りを読めば流れている電流がどのぐらいかはわかりますが、電流計のほうがより詳しく電流の大きさを知ることができます。

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50mAから5Aまで必要に応じて切りかえて、電流を計ることができます。

赤い端子の+D.C.は+極側をつなぎます。なお、D.C.はDirect Current(直流)の略で、時間が経っても電流の流れる向きが変わらないことを意味します。

 

電流計の使い方

①水平な場所に電流計を置き、針を0に合わせる。

②電流計、乾電池、電磁石・豆電球・モーター、スイッチをひとつなぎにつなぐ。つなぎ方の注意点として、乾電池の+極側の導線は電流計の赤い端子(+D.C.)につなぐ。

③検流計と同様、電流計も最初は大きい電流に対応する端子につなぐ(-極側の導線は5Aの-端子につなぐ)。

④スイッチを入れる。

⑤針の振れが小さく電流の大きさがわかりにくい場合は、500mAの-端子につなぎ変える。

⑥500mAの-端子でも針の振れが小さい場合は、50mAにつなぎ変える。

⑦目盛りを読む。目盛りの読み方は-極側の端子をどれにしたかによって変わる(5Aの端子につないだときはひと目盛りは0.1A。500mAの端子につないだときひと目盛りは10mA。50mAの端子につないだときひと目盛りは1mA)

 

直列つなぎと並列つなぎ

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電流の流れ方はかん電池のプラス側からマイナス側へと流れていきます。

回路図におけるプラスマイナスは線の長さでわかります。長いほうがプラス、短いほうがマイナスです。

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たとえば、上の回路図では、このようにプラスからマイナスに電流が流れます。

 

直列つなぎの場合、乾電池を増やすとその分電圧(電流を流すはたらき)が強くなります。1.5Vのかん電池をふたつつないだら1.5+1.5で電圧は3Vです。豆電球であれば明るくなりますし、モーターであれば回転が速くなります。

 

直列つなぎの場合、乾電池が増えると電圧二倍。では電流は?

直列つなぎの場合、乾電池が増えると電流はどうなるのでしょうか。

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乾電池一個あたりの電圧は1.5Vです。このとき、電流を計れる検流計を使ってみると、0.27Aが表示されました。

電圧は電流を流しやすくしてくれます。

ということは、相乗効果で電流も二倍になるのでしょうか。

以下は、乾電池を倍にした場合です。

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上図のとおり電圧は1.5×2で乾電池の数に比例して増えます。

一個は1.5V、2個なら3Vというわけですね。

ところが、電流は大きくなるものの、二倍にはなりません。

なぜでしょう。

 

電圧が大きくなり、電流が大きくなると、豆電球の温度が上がります。

実は、豆電球の温度が上がると抵抗(電流を流れにくくする力)も大きくなるのです。

 

そのため、電流は大きくはなるものの、それに伴い電流を流れにくくする力である抵抗も大きくなるため、単純に二倍にはなりません。

 

乾電池の直列つなぎまとめ

乾電池の数に比例して電圧は大きくなります。

一個なら1.5V

二個なら3V

三個なら4.5V

 

しかし、電流のほうは、乾電池が二個三個と増えたからといって、二倍三倍にはなりません。

 

並列つなぎの場合、乾電池を増やすと電流と電圧は?

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並列つなぎの場合、乾電池の数を増やしても電圧は一個分と同じです。

電流は、大きさを足したものが全体の電流の大きさになっています。

つまり、豆電球の明るさやモーターの回転速度は乾電池一個分と変わりません。

 

下の図を見てください。乾電池ひとつの直列つなぎでで電圧は1.5V、電流は0.2Aだったとします。

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では、この回路に乾電池をひとつ増やして並列つなぎにするとどうなるでしょうか。
以下の図を見てください。

 

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並列つなぎの場合、乾電池は長持ちします。

乾電池ひとつのときは、そのひとつだけで0.2Aの電流を流していました。

しかし、並列つなぎの場合、ひとつの乾電池あたりの電流は半分こで、0.1Aずつの負担になります。

 

「じゃあ直列回路で二個並べた場合は?」と思う人もいることでしょう。

直列回路で二個並べた場合は先ほど説明したように、電圧が二倍になります。ただ、発熱により電球の抵抗も上がるため、電流は二倍にはなりません。

 

ただし、問題の出し方で「抵抗は変わらないものとする」といった注意書きがある場合は以下のようになります。

 

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「抵抗は変わらない」という設問上の条件が提示された場合、電圧は2倍になり、電流も2倍になります。

ただし、あくまで条件つきの場合です。繰り返しになりますが、直列つなぎの場合、乾電池を増やすと抵抗が大きくなるため、電流は二倍にはなりません。そこは注意してください。

 

電気へのニガテ意識が強いのであれば、知育玩具を使って学ぶのもおすすめです。

 

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