塾講師時代、指導をしていて生徒がつまずきやすい単元のひとつに、割合の計算がありました。割合を理解するためにはイメージする力が問われるため、つまずくのはよくわかります。あわてることはありません。この記事では、割合の基本から立ち返ります。
- 割合を分数もしくは小数で表そう
- 割合の公式って?
- 割合を表す歩合ってなに?
- 割だけじゃない。分(ぶ)と厘(りん)も覚えよう
- 割合と歩合と百分率(パーセント)
- 割合の計算の例題を解いてみよう
- まずは公式をひとつ覚えよう
割合を分数もしくは小数で表そう
パンケーキを想像してみましょう。
パンケーキを四つに切りました。もとにする量は四切れです。この四切れのうち二切れを太郎くんが食べたとします。
すると、パンケーキは食べた分も残した分もそれぞれ半分ということになりますね。
半分とはすなわち二分の一です。
食べた分
残した分も
です。割合は分数もしくは少数で表します。
そのため、たとえば、食べた分の割合を答えよという問題が出たら、
でもよいですし、1の半分ですから1÷2=0.5でも正解です。分数か小数かは、問題で指定されているほうで書きましょう。
割合の公式って?
割合は以下のように求めます。
たとえば先ほどのパンケーキで言うと、元にする量は4切れ、比べられる量は2切れですね。つまり約分すると
2分の1です。
割合の式としては
覚えるのはこれだけでも大丈夫です。
なぜなら他の公式は、上の式を以下のように変形すれば求めることができます。
ここで一問解いてみましょう。
例題
30人クラスで欠席者が1人いました。このクラスにおける欠席者の割合を分数で答えなさい。
答
割合を表す歩合ってなに?
たとえば、先ほどのパンケーキの問題で考えてみましょう。
四切れのパンケーキのうち二切れを食べました。
二分の一食べて、二分の一残っています。この分数を少数で表すと分子(比べられる量)÷分母(もとにする量)で、1÷2ですから答えは0.5です。
この小数点のすぐあとの数字を小数第1位といいます。この場合は5ですね。
少数第1位は「割」で表されるため、5割です。
歩合において、1とは10割(わり)のことです。つまり、パンケーキ一枚(四切れ分)を10割とし、その半分(二切れ分)は5割というわけです。
割だけじゃない。分(ぶ)と厘(りん)も覚えよう
たとえば、パンケーキを四切れに切り分けて一切れを食べると食べた量は全体の四分の一です。
1÷4=0.25
小数第1位は先ほど説明したとおり「割(わり)」です。
小数第2位は「分(ぶ)」ですから、0.25を歩合で表すと、2割(わり)5分(ぶ)になります。
では、もしパンケーキを八切れに切り分けて一切れを食べたとしたらどうでしょう。食べた量は全体の八分の一ですから、1÷8=0.125ですね。
小数第1位は割(わり)
小数第2位は分(ぶ)
そして、小数第3位は厘(りん)です。
そのため、0.125は歩合で1割2分5厘と表します。
割合と歩合と百分率(パーセント)
たとえば四つ切のピザを誰も食べていないとします。
上図はピザが100%ある状態ですね。
半分食べると100%あるうちの半分、つまり100÷2=50%が減ります。
もしこのピザが10切れだったとします。
一切れは10切れの中の1切れですから10分の1ですよね。
ピザ一枚まるまるある状態を100%と考えると、100%を10切れに分けたうちの1切れを食べたことになり、100÷10=10%、全体の10%分を食べたことになります。
ちなみに、100%は10割とも表します。
よって、10%とは1割のことです。50%とは5割のことです。
5割引きといわれたら50%オフですから半額です。
例
1=10割=100%
0.9=9割=90%
0.5=5割=50%
0.125=1割2分5厘=12.5%
割合の計算の例題を解いてみよう
割合の計算問題を解いてみましょう。
問題1
Aちゃんは100円を持って駄菓子屋さんへお買い物に行きました。持って行ったお金の5割を使いました。何円分買ったのでしょうか。
問題1の解き方
100円の5割を求めるときは、まず5割を小数に直します。
割は小数第1位ですから、5割とは0.5のことです。
100円の0.5(半分)なので、100×0.5=50円となります。答えは50円です。
かけ算か割り算かわからなくなったら、上記の一例を思い出してください。
「半額は5割だから100×0.5=50円」。
覚えておくと便利です。
問題2
Bくんは2000円を両親からもらってお使いに行きました。持っていたお金の30%の金額の商品を買いました。手元に残っているのはいくらですか。
問題2の解き方
2000円の30%を使ったのだから、手元に残っているのは100%ー30%で2000円の70%です。
つまり2000×0.7=1400円。答えは1400円です。
まずは公式をひとつ覚えよう
割合は難しく感じるかもしれませんが、
割合を表す上の式さえ忘れなければ大丈夫です。子供が割合の考え方自体にピンとこない場合は、お菓子を配りながら説明してみてください。「理解できたら食べようね」と声かけするとよいでしょう。
割合に特化した問題集を一冊やらせてみるのも手です。
割合は重要な単元です。割合で引っかかってしまうとほかの単元も解けなくなってくるので、なるべく早いうちに克服しましょう。
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