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ノビコト

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思春期・反抗期の男の子と女の子。親子で中学受験を成功させるために

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中学受験を目指して勉強するのは、ちょうど思春期の時期です。多感な時期の子供とどう上手く付き合っていけばよいのか、悩んでしまう保護者も多いことでしょう。この記事では、元塾講師の立場から生徒の親子関係を見て気付いた点を紹介します。

 

ただし、基本的に生徒一人ひとりの性格によるところが大きいので、あくまで参考程度に読んでいただければ幸いです。

 

 

思春期・反抗期っていつ? 何歳から始まるの?

日本産婦人科医会のホームページによれば、思春期は8歳頃から17、18歳頃とされています。

思春期の反抗期はいわゆる第2反抗期と呼ばれ、始まる時期には個人差があります。塾で見ている限りでは、10歳11歳あたりがひとつの目安でした。

 

中学受験は低学年から厳しくすると、高学年で反発される?

低学年のうちに学習習慣をつけようとして、あえて厳しく接するタイプの家庭は珍しくありません。どうしたら子供の中学受験が成功するか試行錯誤の末の決断でしょう。


しかし、早い時期から厳しくしても、子供の側に受け容れる準備が整っていないケースが多いことは知っておく必要があります。塾講師時代、のちのちしわ寄せに悩まされる家庭を多く見てきました。勉強が「イヤなもの」「強制されるもの」になってしまうのです。


低学年のうちは渋々でも親の言葉に従います。しかし、子供が高学年になると、叱れば言うことを聞いてくれていた頃とは様相が変わってくるものです。
私の見てきた生徒では、5年生、6年生ぐらいからが顕著でした。保護者からこれまでのアプローチでは家庭学習が回らないと相談を受けたことも多くあります。

 

思春期・反抗期の子供を相手に注意すること

思春期・反抗期で難しい子供の中学受験において、気をつけるべき点はどういうところでしょうか。以下紹介します。

 

思春期・反抗期の中学受験で男女差はある?

塾ではたびたび、「思春期・反抗期の男の子/女の子は難しい」といった言い回しで家庭から相談を受けました。

 

しかし、塾講師の立場から私が感じていたのは、「手のかかる子は手がかかるし、そこに性別はあまり関係ない」ということです。

 

たしかに女子のほうが幼いうちから弁が立つ傾向はあります。ただ、それも個人差が大きいです。親に対して立て板に水で反論する女の子もいれば、押し黙って何も言えなくなってしまう女の子もいました。男の子も同様です。

 

子供を子供扱いするとますます反感を買う

タイトルや見出しと相反しているかもしれませんが、子供の反抗を「思春期だから」「反抗期だから」と括らないほうがよいです。


というのも、塾でよく見る光景として、保護者がわが子が横にいる状態で「最近、反抗期みたいで、この子ぜんぜん言うこと全然聞かなくてー」といった世間話を始めることがあります。


もちろん、保護者に悪気はなく、子供をあえて悪く言うのも明らかに謙遜の一環です。

 

しかし、こうした話題を振られたとき、私はだいたい「〇〇ちゃんは思慮深いですからね」とか、「〇〇くんはいろんなことに気付くタイプですからね」とか、あえて少しズレた相槌を打っていました。


とにかく、子供を「子供扱い」しないことが子供の信頼を得るためには大切なのです。「そうですよね、この年頃の子供は難しいですよね」なんて大きな主語で相槌を打ってほしい子供はあまりいません。

 

自分の反抗期の気持ちを思い返してみよう

自分のいわゆる「思春期」「反抗期」を思い返してみてください。「自分は思春期だから親と上手くいかないのだ」「自分は反抗期だから反抗しているのだ」と自認していたなんてケースはまれでしょう。

 

そもそも、そのときどきで相応の理由があって反発したり怒ったりしていたはずです。


つまり、「反抗期だから」というのはある種のレッテル貼りなのです。反抗期であるとしてもそれがすべてではありません。「子供が反抗期だから反抗している」のではなく「思春期・反抗期の中で、子供がいろんなことを感じている・考えている」という認識が必要です。

 

親の心の中で、ある程度線引きをするのはよい

しかし、そうはいっても日がな一日子供がピリピリしていると、親の側としては「いつ終わるんだろう」と辛い気持ちになってきます。当然、「反抗期だから仕方ない」と括って少し気分がラクになるケースもあるでしょう。それ自体はなんら悪いことではなく、親のメンタルを保つために必要な考え方です。


ただ、「反抗期だから仕方ない」という考えは胸中に留めておいて、子供には直接伝えないほうがよいでしょう。

 

そんなことわざわざ直接伝えるはずがない、と思うかもしれませんが、意外とちょっとした場面でポロっとこぼしているものです。たとえば、子供と摩擦が起きたときに、「あんたもお年頃だね」「難しい年頃なんだから」と言って茶化すケースが挙げられます。親にとっては何気なく言ったことでも、子供にとっては下に見られている気がする言い回しは多々あります。

 

子供のことで相談があるなら、本人のいない場所で

子供に関するデリケートな話題を塾に相談したい場合は、本人がいないときを狙いましょう。塾にもよりますが、14時頃などの手が空きやすい時間に、塾長あてに電話をするのが一番よいでしょう。担当講師に個別に対応してもらうより、塾全体で共有してもらったほうが確実です。


もしくはほかの生徒がいない時間帯に面談の場を設けてもらいましょう。送迎時に先生にそういう話を振ると、横にいる子供が居たたまれない気持ちになるのはもちろんのこと、先生たちも忙しいため、つい話を巻いてしまいがちです。加えて、他の生徒が聞きつけてしまうなんて事態に陥りかねません。

 

ちなみに、先生との信頼関係がないと中学受験ではさまざまな困難が生じます。よい先生のいる塾を探すことは受験の大前提です。

塾内部から見た困った先生については以下の記事でまとめています。

塾の先生が嫌い! 変な先生がいっぱいの塾業界の裏側と対策

ダメな塾・ダメな塾講師の特徴。元塾講師が教えるチェックポイント

 

こちらの記事は、塾内部にいた人間から見た塾選びの基準です。 

ホームページを鵜呑みにしない! 通うべき塾の選び方。先生の給与や待遇も大切?

【必読!】後悔しないために入塾時の面談で聞いておきたい必須事項 

【必読】個別指導か集団授業か。元塾講師が教える本当の塾の選び方とは

 

思春期・反抗期の子供が主体的に学習に取り組むためには、学習計画がカギ

親がいちいち働きかけて勉強をさせるのではなく、子供が自ら勉強を進めていける環境を作らなければなりません。そのためにはしっかりとした学習計画を立てる必要があります。

以下、学習計画について紹介します。

 

子供に「勉強しなさい」は逆効果。代わりになんと伝えるべきか

わが子に「勉強しなさい」と熱心に声かけをしている家庭は多いでしょう。子供をなんとしても合格させたいという気持ちがあれば当然のことです。しかし、残念ながら、熱心な「勉強しなさい」の声かけは、かなりの割合で逆効果になります。


6年生になると、成績のよい子供でも親に「やれ」と言われると、反抗的な態度をとるケースが散見されました。成績のよい子供は言われなくてもやる気はあるので、いちいち声かけをされるとカチンとしやすいのです。


では、やる気のない子供のほうはといえば、やる気のない状態にある自分を好ましく思っていないため、「勉強しなさい」と声かけされるとますます自分を惨めに感じる傾向にあります。勉強していない今の自分もイヤだし、言われるがままに言うことを聞く自分もイヤだし、とどちらにしてもイヤで割り切れないのです。

 

なお、やる気のない子供についての記事はこちらです。

元塾講師が教える、勉強に対してやる気のない子供(小・中学生)への対処法

【中学受験をやめたい!】やめるかどうかの決断。子供のやる気がなくなってしまったら

 
誰しもそうですが、「何を言われるか」より「誰に言われるか」が優先することがあります。

 

勉強についての喝はまさにそうで、親に言われるとそれだけで反発する子供がほとんど。そのため、言うことを子供が聞かないからといって、上手く声かけできていないと自分を責める必要はありません。いずこも同じです。

 

それより、ストレスが溜まらないうちに他へ助けを求めましょう。できれば塾の先生や家庭教師といったプロに、メインとなって働きかけてもらったほうがよいです。自習室も積極的に活用してください。

 

とはいえ、「家庭内では放りっぱなしでよいか」といえば、なかなか難しいケースが多いでしょう。家庭では「勉強しなさい」と言うのではなく、「今日は何をやるのー?」と確認の声かけをします。

 

「これとこれ」と子供自ら、やるべき内容を答えさせるとよいです。そのためには、あらかじめ具体的に日割で学習計画を立てておき、すぐに子供が確認できる環境を整えておく必要があります。

 

どうやって学習計画を立てるべきか

塾がやるべき学習計画をしっかりと用意してくれるところならばよいですが、家庭の側から働きかけないと、子供の状態をその都度反映した計画はなかなか立ててもらえません。


家庭学習が上手くいかず、親の働きかけだけでは勉強が軌道に乗らないという状況なのであれば、まず塾にそれを報告しましょう。受験期は「なにをやろうか」と考える時間も惜しいです。家庭での学習内容は塾講師や家庭教師といったプロが月単位、週単位、日単位で押し込んで、生徒に伝えている状態が理想的だといえます。

 

中学受験は出題範囲が広いので、満遍なくすべてを理解するのは難しいです。そのため、志望校の頻出単元の分析と優先順位決め、それに基づいた計画作成が必要になります。

 

なお、プロの立てた計画でもとりこぼしは出てきます。気付いた場合は、積極的にフィードバックしていきましょう。「この単元も弱いみたいですが、どうですか」「ここの問題が理解しきれていないようです」など気づいた内容を塾に伝えて、必要性を検討してもらってください。

 

学習計画を実現するための下準備も必要

計画ができたら、「この計画に書かれたことを守るとどういうメリットがあるのか」を子供に伝えます。子供がモチベーションをキープできるようにするのです。

 

そのためにも、子供の実力に合った計画に仕上げることが大切になります。あまりギチギチに予定を詰めすぎないほうがよいです。遅れたりつまずいたりしても、リカバリーが効く程度の余裕を持たせましょう。

 

5年生の場合、子供自身で計画を作らせてみるのも良策

受験前ギリギリでないのであれば、子供自身で計画を立てさせてみるのも手です。恐らく、最初に子供が作る計画は突っ込みどころの多い仕上がりになることでしょう。親が口を出すと反発を買いやすいので、塾に見てもらって不足する箇所を指摘してもらってください。

 

改良を加えた計画を見て、子供自身の口から「やる」という宣言が飛び出したなら、チャンスだといえます。自分で「やる」と言ったことを途中であきらめるのは格好悪いという認識が、子供の側にあるからです。

 

やる気が途中でなくなった場合は、塾に面談の場を設けてもらい、計画を見直していきましょう。

 

厳しく接することで成長できる子供はごく一部

大人から厳しくしつけられてきたという人の中には、「周囲が厳しかったからこそ、自分は成功できた。だからわが子にも同様の態度で接する」と考えてしまう人がいます。いわゆる「成功バイアス」です。

 

しかし、本当に「厳しくされたから成功した」のかどうかは誰にもわかりません。たしかなのは、その厳しさはときについていけない子供を生み出してしまう、ということです。


実は、これは私自身の反省でもあります。塾講師時代にはあえて厳しく教えた子供もいました。塾の方針で塾長からもっと厳しくするよう指示があり、当時は「妥当」と判断したのです。

 

しかし、さまざまな子供たちとの出会いを経た今、振り返ると「やはり、あれは間違いだった」と苦い気持ちになります。「なぜあの子なりの頑張りにもっと寄り添ってあげられなかったのだろう」と思わずにはいられないのです。

 

その子なりに頑張る気持ちに寄り添えば、子供の自己肯定感を高め、勉強に対しての姿勢を前向きなものへと変えていくことができます。


中には厳しい指導と相性のよい子供もいるでしょう。しかし、それは一部であることを知っておく必要があります。そうでないと、大人の振る舞いによって傷つけられる子供が出てくるのです。

 

厳しくされたことによる成功体験を語るのは、厳しくされてもサバイブできたごく一部の成功者だけ。傷つき立ち上がれなくなった人は語る機会さえ持たないのが世の常です。

 

反抗期や思春期の渦中にある、感受性の強い子供たちには寄り添う姿勢が求められます。

 

受験は横(受験者同士)の戦い。だからこそ縦の基準を忘れずに

受験期は皆が頑張ります。受験は競争で、他の受験生と競わなければなりません。評価は数字ではっきりと出るため、とてもシビアな世界です。


本番が近づいてなお、後れをとっていると「どうして、うちの子は〇〇ちゃんと同じぐらい頑張れないんだろう」とつい考えてしまいます。

 

けれど、その子供の頑張りについて考えるなら、縦の基準を忘れてはいけないのです。縦の基準とはつまり、その子自身が前回からどのぐらい伸びたかという評価軸です。

 

そして、思春期・反抗期の子供と足並みをそろえていくためには、この縦の基準に着目することがとても大切になってきます。

 

思春期や反抗期の受験生はちゃんと評価されたい

思春期や反抗期の子供の多くは、「自分のやっていることをちゃんと評価されたい。自分を認めてほしい」という気持ちを持っています。その気持ちと「勉強しなさい」といった頭ごなしの言葉は相反するものです。


まずは、縦軸で子供の成長を考えましょう。横軸で考えたときに見劣りがしたとしても、縦軸で成長していれば一旦はよしとします。子供へのフィードバックも必要です。

 

「前回より〇〇ができてるね。勉強をがんばったんだね」と伝えてみてください。そうしてプラスのフィードバックをした上で、志望校合格にはなにが不足しているかを具体的に検討しましょう。


「今なにをどれだけ頑張ることが必要か」が一見してわかる環境を整えておいてあげるとよいでしょう。指示に従わせるのではなく、自ら勉強に取り組めるようサポートしてあげてください。

 

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