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ノビコト

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ホームページを鵜呑みにしない! 通うべき塾の選び方。先生の給与や待遇も大切?

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昨今の報道でも知られてきたように、塾業界は基本的にブラックです。だからこそ、「講師の待遇が安定している塾」を選ぶことには意味があります。

なぜなら、講師の待遇と教育の質には密接な関係があるのです。

この記事では、業界の裏側から見た塾の正しい選び方を紹介します。

 

塾業界はどうしてブラックだと言われているのか

塾業界は基本的に休みがありません。平日は昼過ぎから夜まで仕事、土曜日は朝から夕方、日曜日は模試や特訓や補習授業というのが多くの塾のスタイルです。

 

もちろん、だからといって全く休みがとれないわけではありません。日曜日の授業は持ち回りの塾がほとんどで、筆者の勤めていた塾もそうでした。

 

しかし、忙しいと「今月休みが2日間しかなかった」なんてケースはざらにあります。いわゆる「やりがい搾取」がはびこっていて、「生徒のためだから仕方ない」と腹を括るしかない状態です。

 

せめて大型連休でまとめて休めればよいのですが、「GWは通常授業、お盆は夏期講習、年末年始は受験対策」というハードな進行が定着化しています。

 

非正規雇用の講師が多い塾業界

筆者は仕事の関係で、これまで塾のホームページを200件以上チェックしてきました。

 

よくある塾の謳い文句に「当塾の講師は正社員のみ」「プロの社会人講師限定」といったものが挙げられます。

 

逆に言えば、多くの塾では学生アルバイトや非常勤講師が主力なのです。

 

ホームページに講師の待遇が明記されていない塾の大半は、非正規雇用がメインだと考えて間違いありません。

 

塾業界では、残業手当や休日出勤手当が期待できない

筆者の勤めていた塾ではたびたび「会議をするから午前中に出勤して」「休みの日に悪いけど、会議するから来て」と言われました。

 

その分の手当ては当初全く出なかったです。筆者が「手当を出さないのはおかしくないですか」と抗議し、ようやく支給されるようになりました。

 

塾講師の仕事というと、授業だけが注目されがちです。しかし、実際には授業以外の業務が山のようにあります。

 

にもかかわらず、「授業以外はお金を出さない」塾は少なくありません。「採点」「報告書」「授業準備」「質問応対」「保護者からの相談に乗る」といった業務はどれも重要で、欠かせないものです。

 

しかし、給与は授業時間に基づいて支払われるため、非常勤講師やアルバイトは「どれだけいっぱい働いても、時給換算されるのは授業分だけ」という事態に陥ります。たとえ正社員採用でも、授業時間外の仕事はサービス残業や持ち帰り仕事で片付けさせる方針をとる塾も多いです。

 

塾のベテラン講師には女性が少ない?

塾講師の勤務時間は、午後から夜遅くです。そのため、「子育てをメインで担っている人は働きにくい」状況があります。女性が子育ての大部分を担う傾向にある日本では、出産を機に辞めていくケースが多いです。

 

筆者に至っては「おわかりかと思うんですが、小さい塾だから、もしこの先、先生が妊娠しても産休・育休はあげられないんですよ」と塾長から言われ、呆気にとられたことがあります。明確に法律違反です。仕事を続ける気があったなら、間違いなく労基署に駆け込んでいたと思います。

 

教えること自体は面白いですし好きな仕事ですが、今の社会設計の中で子供を持つ女性が塾講師を続けるには、相当なバックアップが必要です。

「塾内に託児所を作る」といった取り組みをしないと難しいでしょう。

 

講師にとってブラックな塾は、生徒にも悪影響

塾が「やりがい搾取」によって成り立っていて、ブラックだと生徒にはどんな影響があるのでしょうか。

 

「職場としてブラックでも、それは講師の問題で、生徒には関係ないのではないか」と考える人もいるかもしれません。

 

しかし、正社員の少ない塾で、授業時間外のフォローを手厚くするのは難しいです。

 

加えて、アルバイトや非常勤講師が大多数を占める塾では、いちいち会議で人を集めるのも難しく、指導方針や進捗状況の共有が不十分になる傾向があります。

結果として、統率がとれなくなってくるのです。


女性講師がすぐやめてしまうような塾も避けることをおすすめします。女生徒や低学年児童は、親しみやすい女性講師を希望するケースが多いです。

 

しかし、「同じ講師に長く教えてほしい」と考えていても、働きづらさから辞めてしまう可能性があります。

 

あと、講師への手厚い手当も欠かせません。時間外手当や残業手当が出ない塾は、講師のモチベーションが低くなりがちです。

 

質の高い授業を恒常的に提供できる塾は、「授業準備を万全にしよう」と思えるだけの待遇を用意しているもの。

 

そうでなければ、講師が疲弊し、「惰性で授業を続けるか転職か」の二択といった事態に陥りやすいです。

 

家庭が塾の先生の年収や労働環境を把握するには

講師に直接「先生、いくらもらってるのー?」と冗談まじりに尋ねてくる生徒もいますが、そこはさすがに教えられません。

「常勤か非常勤か」といった話も、家庭からの信用にかかわるので、おおっぴらにしない塾がほとんど。

 

では、どうすればよいのでしょう。

おすすめなのは、説明会の段階で塾長に直接、「アルバイト講師に不安があるのですが、正社員の講師はどのぐらいいるのですか」とか「授業時間外の対応はどうなっていますか」と質問してしまうことです。

 

面談時でも構いませんが、塾選びの時点で質問したほうがスムーズでしょう。

 

子供が女性講師を希望している場合、「うちの子供は女性講師を希望しているんですが、ベテランの女性講師はいますか」と聞いてみるとよいです。

 

あとはホームページの採用要項をチェックしておきましょう。条件が悪すぎる塾は通う側にとっても、よくない結果になることが多いです。

就職活動や転職活動の口コミサイトも役に立ちます。

保護者の知らない塾の内情が詳しく書かれていますから、あまりに評判の悪いところは避けたほうが無難です。

 

まとめ

筆者は仕事の関係で200件以上、塾のホームページのコンテンツを精読してきました。

 

そうして理解したのは、「ホームページの情報はあくまで営業用であり、表向きの顔である」ということです。

 

昨今流行の「少人数制」「スモールステップ方式」「オーダーメイドカリキュラム」など、魅力的な言葉がホームページには並んでいます。

 

しかし、その魅力的なコピーが本当に塾内で徹底されているかどうかまでは、選ぶ側にはわかりません。塾通いはお金がかかるものですから、妥協はしないほうがよいでしょう。

 

塾選びの際には、「裏の顔」まで見る必要があります。

 

ぜひ採用要項や、就活サイトにも目を通してみてください。講師の待遇や塾内の実情は塾のクオリティと結びついています。説明会でも気になる点はどんどん質問してみましょう。

 

 

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