よく「フリーランスが保育園に子供を入れるのは厳しい」と言われます。筆者の住む地域も、不利なランク分けがルール化されていたため、対策が必要でした。この記事ではフリーランス・個人事業主の保活の進め方について紹介します。
フリーランスの保活をめぐる現状
厚生労働省は2017年に「多様な働き方に応じた保育所等の利用調整等に係る取扱いについて」という事務連絡を出しています。要は「フリーランスだからといって、不利になるルールはやめよう」ということです。
では、フリーランスはどうして不利になるのでしょうか。それは自治体によっては、「居宅外就労」と「居宅内就労」に点数差を設けているためです。
フリーランスは、自宅で仕事をするケースが少なくありません。しかし、仕事をする場所が「居宅外」ではないというだけで、減点されてしまう自治体はまだ根強くあるのです。
保育園に受かりたい。では、どうすれば加点を狙えるか
都心の保育園に受かるためには、かなりの高得点で認定される必要があります。加点を狙える方法を以下に紹介します。
コワーキングスペースを借りる
コワーキングスペースというサービスをご存知でしょうか。「共用のオフィスで自分だけの席を借りられるサービス」です。
最近ますます流行っていて、仕事以外にも、自習室代わりにするため、趣味のため、さまざまな理由でコワーキングスペースを借りる人がいます。
筆者の借りていたコワーキングスペースは都会にありながら、月額1,980円という破格の安さでした。固定席だと高くつきがちですが、フリー席だと安く済みます。
コワーキングスペースでの仕事を「居宅外就労」扱いにしてくれるかどうかは、自治体に確認してみてください。
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実家や図書館を利用する
自治体によっては、実家や図書館を仕事場にしていることを、「居宅外」として認めてくれる場合もあります。ただし、コワーキングスペースより認められにくいかもしれません。こちらも自治体に確認してみてください。
夜勤加点で点数アップ
フリーランスおよび個人事業主で、保育園を探しながら働いている場合、夜遅くまで仕事をしていることがほとんどではないでしょうか。
また、仮に保育園に子供を預けられたとしても、日中だけではなく夜も働かなければ、仕事が回らないケースがあるでしょう。
その場合、夜の勤務時間を「夜勤加点」の対象として、扱ってもらえる可能性があります。自治体に確認してみてください。
開業届を出しておこう
会社員ならば「就業証明書」一枚で仕事をしている証明ができますが、フリーランスとなるとそういうわけにはいきません。
「本当にちゃんと働いているのか」ということが厳しく問われるため、多くの書類を用意しなければならないのです。
国税庁のホームページで「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」をダウンロードし、必要事項を記入してから、管轄の税務署に提出しましょう。
開業届を税務署に出していないフリーランスは少なくありません。しかし、認可保育園の申請をする際、開業届があると役所に対して説得力を補強できます。
筆者も「開業届の控えが手許にある」旨を伝えると「出してほしい」と言われました。「実際に仕事をしていることを証明する書類のひとつ」として扱われます。
保育サービスを利用した実績をつくろう
これはフリーランスに限らず、一般的な方法です。
認可保育園に入れるまでの期間、認可外などに預けることで加点対象となります。
ただし、認可外保育園はよく知られているとおり、保育料が高いです。筆者の子供たちを通わせていた認可外保育園では一人あたり月5万円近くかかり、兄弟割引を使っても9万円台とかなり高額でした。
また、それだけの金額を払う用意があっても、激戦区では認可外保育園に入れること自体大変でしょう。一層お金はかかりますが、ベビーシッターなどでも加点対象になる自治体もありますので、利用できそうなサービスを検討してみてください。
どのぐらいの期間や頻度、子供を預けていると加点対象になるかは、自治体によって違います。筆者の自治体では、担当者によって基準の説明が異なって困りました。子供を預ける期間が短かったり回数が少なかったりして、加点対象になるか不安な場合は確認をとりましょう。
どんな書類の提出が必要なのか
自治体ごとに異なります。審査が厳しそうな自治体の場合、おすすめなのはタイムカードをつけておく方法です。
筆者は就労時間とその日の仕事内容をエクセルに記入するようにしています。保育園申し込みのときには、三ヶ月分を提出しました。ほかに用意したのは、帳簿、通帳のコピー、メディアに掲載された記事数点、「開業届」の控えのコピー。
あとは会社員の人たちと同じです。「支給認定申請書・利用申込書」「認可外保育施設等利用証明書」、「就労証明書」を提出すればぶじ完了でした。
なお、「就労証明書」は会社員ではないため、自分で記入しなければなりません。
まとめ
保活において、フリーランスが不利とされる自治体は、まだまだ多いです。だからこそ工夫して加点を狙う必要があります。「コワーキングスペースのレンタル」「夜勤加点がつくよう申請」「保育サービスの利用」「必要書類を準備しておく」など、できることはすべてやっておくとよいでしょう。
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