塾講師時代にも「理科が苦手」という声は生徒からよく聞きました。この記事では、子供の理科に対する苦手意識を取り除くためにはどうすればよいのか、小学生から取り組める方法を紹介します。
DVD付き子供向け図鑑で興味を引き出そう
書店に売っている子供向け図鑑には、どんなものがあるのでしょうか。
主力商品は小学館NEO・講談社MOVE・学研LIVE・ポプラ社ポプラディア
書店に行くと、幼児期から手にとれる「子供向け図鑑」がたくさん並んでいます。
有名なのは、小学館の図鑑NEOシリーズ、講談社の動く図鑑MOVEシリーズ、学研の図鑑LIVEシリーズ、ポプラ社のポプラディアシリーズです。
ポプラ社のポプラディアシリーズを除く3つのシリーズは、DVD付きであることを売りにしています。ただし、小学館のNEOシリーズの中にはDVDの付いていないものもあるため、購入の際には注意が必要です。
新しく「角川の集める図鑑GET!」シリーズも登場
角川からGETシリーズが新たに発売されました。NEOの情報量が豊かなところと、LIVEやMOVEの動きあふれる紙面作りを合わせたような図鑑です。遊び心が満載で、子供から大人まで楽しんで読める工夫がされています。
ただし、DVDはつかないのでその点は注意が必要です。
売れ筋は小学館の図鑑NEO
書店で売れ筋はどれかと尋ねたなら、間違いなく小学館の図鑑NEOが筆頭に挙がるはずです。ドラえもんを起用しているキャッチーさと、情報量の多さで他社を圧倒しています。
ザ・図鑑といった雰囲気の紙面が子供にとって物足りないのでは…と心配していたのですが、まったくそんなことはありませんでした。NEOとMOVEの「恐竜」を両方もっていますが、NEOのほうが好きらしく、読み込み過ぎてすでにボロボロです。
ちなみに、NEOのDVDは、図鑑にもよりますがBBCが制作している番組映像からのチョイスが多いです。たとえば恐竜図鑑のDVDは、恐竜の息遣いが伝わってくるような迫力と躍動感がありますし、動物図鑑や植物図鑑には「こんな瞬間を撮影したのか!」という奇跡の瞬間が詰まっています。
筆者のおすすめは動物図鑑。それぞれの動物たちの貴重な瞬間をとらえた映像を見てから、動物園に行くことで新たな発見があるはずです。生き物好きなわが子は「恐竜」「動物」「昆虫」「危険生物」を特に好んで見ています。
小学館のNEO以外の図鑑はどうなの?
小学館のNEOの紙面づくりはオーソドックスです。その分、情報量が詰まっていて端から端まで楽しめます。NEOに比べると、講談社の動く図鑑MOVEと学研の図鑑LIVEは、動きのある生き生きとした紙面づくりを目指しています。
そのため、一見すると図鑑というよりは、雑誌やムックのような印象を受けるかもしれません。インパクトある絵や写真は、子供の興味を引き出すのにはぴったりでしょう。
なお、講談社のMOVEはNHK、学研のLIVEはBBCの映像を採用しています。唯一DVDのつかないポプラディアは、昔ながらのスタンダードなテイストで、紙面づくりはNEO寄りです。
おすすめの図鑑はどれ?
筆者のおすすめは小学館のNEOです。情報量の多さとドラえもんの親しみやすさ、BBCの見応えある映像など、多くの理由が挙げられます。我が家の本棚には、NEOシリーズは八割がた揃っています。いずれ全部揃えたいです。
ただ、紙面がシンプルなので、「講談社の動く図鑑MOVEや学研の図鑑LIVEに比べて見劣りする」という意見もあることでしょう。実際、「紙面を入口に子供の興味を引き出したい」というなら、講談社のMOVEや学研のLIVEはとても魅力的な図鑑です。
加えて、NEOは映像のついていない図鑑もあります。「この図鑑はぜひDVDで見たい!」ということであれば、該当の図鑑だけ他のシリーズから購入する方法もよいかもしれません。
映像にはこだわらず、スタンダード路線の硬派な図鑑がほしいというのであれば、ポプラディアもおすすめです。過不足のない手堅い作りになっています。
子供向け図鑑についてより詳しく掘り下げた記事はこちらです。
子供の理科離れ! 教育ライターが教える理科を嫌いにならないための図鑑選び
科学体験教室に参加してみよう!
実験などを通して科学の楽しさを学べる科学教室。いったいどんなところなのでしょうか。
人気を集める科学体験教室はどこ?
科学体験教室として有名なのは、ベネッセサイエンス教室、学研の科学実験教室などです。ベネッセは東京・神奈川・埼玉に限定した展開ですが、学研のほうは全国規模で展開しているため、地方に住んでいる人でも通いやすいでしょう。
ベネッセと学研の科学体験教室の違いって?
カリキュラム面はどちらも興味深い実験が盛りだくさんですが、一点大きな違いがあります。学年別のコース編成か異年齢クラスかという点です。
ベネッセは学年別のコースを用意していて、発達段階に合わせた実験を行っています。
一方、学研は異なる年齢の生徒が積極的に意見交換し、実験に参加するスタイルです。
実験の内容はどちらもユニーク。工夫の凝らされたオリジナル教材を使用することが可能です。「冷蔵庫を使わずにアイスクリームやシャーベットは作れるのか、身近なもので温度をどう下げるのか」。
これは学研の実験の一例ですが、いかにも子供が喜んで取り組みそうな内容です。
数百という実験を楽しめる理科の体験教室。ぜひ参加してみてはどうでしょうか。
まとめ
「勉強しなければいけない対象」として見ると、どんな科目も途端に面白くなくなるものです。「勉強しなさい」では逆効果。子供の「知りたい」という気持ちをいかに引き出せるかです。まずは興味の入口として、さまざまなジャンルのDVDつき図鑑を用意してはどうでしょうか。最初は映像だけでもよいのです。興味を持てば自然と図鑑本体にも手が伸びます。
図鑑を敬遠する子供や、絵と字だけを見ていても物足りない子供には、科学実験教室がお勧めです。科学嫌いの子供も、ユニークな実験の数々に、「もっとやってみたい!」と前のめりになっていきます。
ぜひ、できるだけ早い内に、理科を好きになれるチャンスを子供に用意してあげてください。
おすすめ記事
【理科/物理】中学受験にもよく出る浮力。浮力と水圧の関係って?
【小6・中学受験理科】人の呼吸と動物の呼吸。体のつくりとはたらき
【てこの原理】ホッチキス・シーソー・ピンセット・ハサミ・爪切り
中学受験必須のオリオン座のミンタカ。アルニラム・アルニタクも
【北斗七星・春の大三角形】代表的な春の星座は? 名前・見つけ方とは
【探し方・覚え方】夏の大三角形の星の名前は? 神話で知る夏の星座
秋の四辺形(ぺガススの大四辺形)・北斗七星・北極星。秋の星座たち
【中学受験】春夏秋冬、星と星座の覚え方。大三角形の語呂合わせ