塾で教えていると、ごくたまに先生に好意を持つ生徒がいます。私の勤めていた塾は中学受験対応がメインだったため、高校生の割合が少なく本当に「ごくまれ」でしたが、同業者の話を聞くと珍しくはないようです。
この記事では、塾講師に生徒が恋愛感情を抱いてしまった場合について、塾講師の目線から紹介します。
先生と生徒の関係は決して対等ではない
落ち着いた年上の異性が魅力的に見える時期はありますし、先生にあこがれた経験のある子供は少なくないはずです。好きな気持ち自体は否定されるべきものではありませんし、自分の中で大切にすればよいでしょう。
しかし、先生と生徒の関係にあるのに、手を出してくれる大人がいたらそれはアウトです。どんなに親しみやすい先生だったとしても、先生と生徒は対等になり得ません。どうしても年上で指導者である先生のほうが強い立場にあります。
そのため、誠意ある先生なら、自分の立場を自覚して生徒に不用意に接近しないものです。
大学時代に見た先生の配慮
塾の先生ではなく、大学の先生のエピソードなのですが、私が男性の先生に対して「誠意ある対応だな」と感心させられた経験を紹介します。
ある日、質問行くアポイントをとり、約束の時間にとある先生(男性)の研究室を訪ねました。通常、研究室のドアは閉められているものです。
しかし、私が訪ねたときには、クーラーの冷気が逃げて部屋が暑くなってしまうにもかかわらず、研究室の扉は開けっ放しで固定されていました。女子学生と密室で二人きりになる状況を避けるため、あらかじめ準備してくれていたわけです。
高校まではこうした配慮をしてくれる先生に出会ったことがなかったため、「すごい! ちゃんと考えてくれている」と感動しました。もちろん、先生にとってもあらぬ誤解を生まないというメリットがあります。
塾講師でも距離感がアウトな先生はいる
他の塾ではどうかわかりませんが、私の勤めていた塾ではセクシュアルハラスメントの講習会はありませんでした。今後、トラブル回避のためにも積極的に取り入れていくべきでしょう。
実際、塾講師の同僚を見ていて、生徒へのボディタッチが多めかな、と感じるケースはありました。頭を撫でたり腕をとったりという行為に含むところはなさそうでしたが、それにしても本来ならばするべきことではありません。
この記事は生徒向けですが、本来ならば先生の側が自分たちの強い立場に自覚的になり、生徒への適切な距離感を考える必要があります。
先生と生徒であるうちから付き合わない
先生と生徒が結ばれるマンガやゲームはたくさんありますし、フィクションとしては魅力的です。私自身も作品としてなら楽しめます。
しかし、現実においては、大人には大人の責任があります。まして、先生であればその職業に対する責任があります。
一般的に教える仕事にある人間は、生徒を恋愛対象では見ないよう努めるものです。生徒に手を出す大人は、信頼に足る大人ではありません。むやみに接近を図ってくる先生がいたら、親をはじめ信頼できる相手に相談してください。
もし、どうしても諦められないのであれば、卒塾後年数を経てから気持ちを伝えるようにしすることをおすすめします。卒塾して一、二年では、先生にとっても生徒は生徒でしかありません。成人後、イチから人間関係を築くぐらいの長期戦の構えが必要です。
なによりせっかくなら新しい環境に目を向けたほうがよいです。新しく広がる環境の中で、気持ちに変化があるかもしれません。
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