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ノビコト

教育ライター 兼 双子母 が子供に関するあらゆる情報を発信

【塾の先生の本音】塾とのトラブル。家庭から塾へどう要望する?

塾に通わせていると、なにかしらトラブルが起きることがあります。

 

保護者はさまざまな葛藤を抱えるものです。「塾にどこまで要求してよいかわからない」「子供は先生にどう思われているのだろう」「〇〇さんだけひいきされているって本当だろうか」。

 

そうした不安をどこまで伝えてよいのか、どう改善要求すればよいのかわからず、頭を抱えることもあるはずです。

 

この記事では、元中学受験塾講師として実際に現場で見てきたこと、感じてきたことを紹介します。

 

家庭と塾のトラブルにはどんなものがあるの?

家庭と塾の間で起きがちなトラブルにはどんなものがあるのでしょうか。

 

塾と家庭の時間外対応トラブル

質問対応をはじめ、塾の先生の時間外対応についてのトラブルはよくあります。

 

基本的に塾業界のせいであり、親のせいではない

知られつつありますが、塾業界はブラックです。正規雇用の先生ばかりではなく、むしろ非正規雇用が多く、そのため時間外対応はサービス残業でやっているケースが往々にしてあります。

 

ただし、当然ながらサービス残業であるという裏事情は、明らかにされていません。そのため、基本的に家庭側に一切の非はないと考えてよいでしょう。すべて塾経営の構造的な問題です。本来、対処すべきは塾側で、「時間外の質問は、正規雇用である〇〇先生にお願いします」とあらかじめアナウンスするべきなのです。

 

そうはっきりと言えないのは、非正規雇用が多いことを知られると、塾のイメージを損ねるためと、非正規のサービス残業がなければ仕事が回らないためです。

 

ただし、個別指導後の大量質問はNG

基本的に授業時間外対応において家庭に責任はないと書きましたが、例外もあります。

集団授業前後の質問ならば、仕事の一環です。しかし、個別指導後に大量の質問をするのはやめましょう。個別指導の質問は、授業中にするのが原則です。

 

もちろん、常識的な量なら受け付ける先生が多いでしょうし、自習室で居残り学習をして、わからない点をその都度質問するのも歓迎されるでしょう。多くの先生が勉強熱心でよい生徒だと受け止めます。「なら、どんなケースがアウトなの?」と思うかもしれません。実際にあった事例をお話しします。

 

時間の授業が終わったあとに、毎回持参してきた問題集を出して、約一時間分の質問をしていく生徒がいました。

この生徒は親から「授業が終わったら、この問題集の質問をしてきなさい」と指示されていたのです。どう頑張っても、みっちりマンツーマンで一時間は教えなければ消化できない量です。

 

結果、保護者を含めての話し合いになりました。そもそも補習授業として個別指導を利用しているのですから、これでは無料で延長授業をするのと変わりません。

 

「塾の先生と合わない」相性のトラブル

「よい先生に教えてもらえたら」と親ならば誰もが考えるでしょう。倫理観がしっかりとしていて、プロ意識と指導力のある先生に当たれば、子供も楽しく勉強できます。しかし、そうした先生はたいてい塾の中でもひと握りです。

 

「先生と相性が悪い」「先生の倫理観が心配だ」など懸念があれば、すぐ塾長に相談してください。「面倒くさい親だと思われたら」との懸念があるかもしれませんが、理由が正当なら塾長は対応するはずです。先生の変更なりクラスの変更なりなにかしら対応してくれる可能性があります。

 

ただ、そうした変更が可能な塾かどうかは、規模や方針によって大きく異なるでしょう。

 

塾の先生が特定の子供をひいきするトラブル

中にはプロ意識に欠けている先生もいて、特定の子供を目に見えてひいきをするケースもなくはありません。実際、同僚にそういう先生がひとりいました。

 

子供たちの気持ちを自分に強く惹きつけたいあまり、先生自ら「自分を支持するよい子供たち」と「そうではないダメな子供たち」のレッテルを貼り、分断を煽っていたケースです。

 

先生たちからも親からも指摘の声があがり、塾長から本人に指導が入ったため表面上は改善されました。こういう言語道断な先生に対してはどんどんクレームを寄せたほうがよいです。複数の親から声があがれば塾は無視できなくなります。

 

怖い塾の先生をめぐるトラブル

子供が塾の先生を怖がるケースもよくあります。集団授業だと統制をとるために全体に対して強い叱り方をする先生は多いです。声を荒げる大人の姿が怖いのは当たり前で、感受性の強い子供ほど思いつめてしまいます。

 

まずは塾に電話して塾長に「子供がこういうことを言っている」と伝えましょう。事前に、先生から言われた言葉や、その際の振る舞いをヒアリングして書き出しておきましょう。必要であれば先生に伝える際に名前を伏せてもらうようお願いしてもよいです。

 

塾の先生のせいで登塾を拒否するトラブル

以前、担当の先生に叱られたことがきっかけで、塾に来られなくなった生徒がいました。

先生は、大柄で強面ながら、ユーモアも指導力もあり、多くの生徒たちからは慕われていました。しかし、叱り方は威圧的で、軽口においてもたまに一線を越えてしまうところがありました。

 

ある日、先生としては「いつもどおり」ふざけた生徒を叱りつけました。やんちゃで元気いっぱいの生徒でしたが、その日から彼は塾前まで来て、それ以上は一歩も動けなくなりました。

 

保護者との話し合いの末、休塾を経て退塾となりました。先生が人気も信頼もあることを知っていたため、保護者の方は「すみません。うちの子が気弱で」と恐縮していました。ただ、それは生徒のせいでは決してありません。

 

万人受けする指導はないにせよ、叱るとき塾講師側は自分のほうが強い立場にあることを自覚しなければならないのです。

 

「登塾拒否」までしているなら、本人と話をし、無理に行かせるのはやめたほうがよいでしょう。

 

塾友達とのトラブル

塾友達とけんかをしたり、いじめが起きたりすることもあります。その場合も早めに塾に知らせて、間に入ってもらいましょう。

 

なるべく言われたこと、やられたことはメモで残してください。いまだに「喧嘩両成敗」という雑な対応をする先生はいます。そうならないよう、何が問題だったのかを伝えるため事実関係を取りまとめておくとよいです。

 

特性の強い子供への対応トラブル

塾生の中には、特性が強く出ている印象を受ける子供もいます。

 

あらかじめ塾と情報共有を

塾もひとクラスあれば、いろんな生徒がいます。

 

たとえ上位クラスであっても皆が皆、優等生なはずもなく、集中力が切れやすい子供、他人にちょっかいを出さずにはいられない子供、ケアレスミスが多い子供、感情のコントロールが苦手な子供、のんびり屋な子供とさまざまです。

 

子供とどういう目標を共有するか、どうやる気にさせるか、どう勉強させるかは、あらかじめ家庭と塾が連携して、慎重に進めたほうがよいでしょう。

 

塾講師によるダメな叱り方で悪影響も

勤めていた塾でも、「そのしかり方はどうなの?」と疑問に思う先生はよくいました。塾は研修を積極的に取り入れているところがあまりなく、小学校以上に「昔ながらの価値観」がはびこりがちです。つまり、頭ごなしにガツンと叱るやり方が、今でも残っています。

 

学校でもそうした指導は残っていないわけではないですが、通級指導教室や支援級の存在がありますし、スクールカウンセラーもいます。研修等もあり、一般的な塾よりは、合理的配慮を受けられる環境です。

 

わが子も気持ちの切り替えがやや遅めなので通常級+週一で通級指導教室のお世話になっています。クラスの先生と通級指導教室の先生が連携して、子供がどうすればやっていけるかを考えてくれるため、親としても安心です。

 

しかし、塾だと、担当の先生の独断でクラス運営される傾向にあります。相応の見識を持った塾長が積極的に介入する塾ならばまだよいですが、そうではない塾のほうが多いです。事前に「生まれ持ったこういう傾向があり、叱ると逆効果になります。対応としてはこういうやり方ができればそのほうがよいです」と塾長と担当の先生の両方に伝えておくことをおすすめします。

 

塾では先生の加配はまず見込めませんし、ひとりの手には負えなくなり、問題行動のある子供への当たりがきつくなりかねません。

「きつく注意すれば矯正できるはず」と誤認されてしまっては大変です。特性を伝えて反応を見て、フォローの手厚い塾を選びましょう。

 

特性を伝えてくれると塾としては動きやすい

子供の特性を伝えないと、親がどこまで認識しているのか塾側もわかりません。どう親に伝えて協力を求めてよいのか悩みます。

 

実際、感情のコントロールが難しくて問題に行き詰まったり遅れをとったりすると、泣いたり怒ったり物を壊そうとしたり友達を叩こうとしたりする生徒を見た経験があります。

 

気持ちはまっすぐな生徒なのですが、それだけに興奮するとうまく抑えがきかないようでした。なにより保護者が入塾当初から「うちの子のことでは電話してこないでください」というスタンスで、連携が難しかったです。聞こえてくる話では、学校でもいろいろあったようなので、いっぱいいっぱいだったのかもしれません。

 

塾に、他の家庭からのクレームも届くようになり、塾長に無理やり加配をお願いしたのですが、先生の人数を増やしても、課題はたくさん残りました。結局塾長と家庭が話をし、その子供は退塾してしまいました。反省すべき苦い記憶として残っています。

 

一方、集中力がなく席をすぐ立ってしまう生徒を集団授業ではなく個別指導メインでフォローしたことで、見事合格につなげられた経験もあります。

 

今は特性の強い子供に対応する塾もたくさんあるので、ネットで調べてみてください。できるだけ信頼できる口コミのところに見学しに行くのがよいです。

 

トラブルは早めに対処。塾に要望を出そう

塾のトラブル対応は珍しいことではなく、日々いろんな家庭からいろんな意見が寄せられています。「言いにくいな」と思ったことでも、一度電話してみれば解決するかもしれません。

 

塾にもよりますが、平日なら午後二時頃だと落ち着いて相談に乗ってもらえる可能性があります。不安があれば、伝えるようにしましょう。

 

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