生き物の名前が入ったことわざはたくさんあります。この記事では五十音順に代表的なものを紹介していきます。前半はほ乳類、後半は鳥類です。
ほ乳類のことわざ
【あ行】
鼬(いたち)
鼬の最後っ屁(イタチのさいごっぺ)
追い詰められた状況下で、非常手段に出ること
犬(いぬ)
犬と猿
不仲なもののたとえ。
犬が西向きゃ尾は東
至極当たり前のこと
犬の遠吠え
気弱な者が陰で強がり、誰かを攻撃すること
犬も歩けば棒に当たる
なにかを行うものは、ときに不運にみまわれる
逆に、「なにかを行うものには、ときによいことが起こる」と解釈されることも。
兎(うさぎ)
兎の登り坂
一番得意とするところで力を発揮すること
兎の糞
すぐに切れてしまい続かないこと
馬(うま)
馬が合う
気が合うこと・意気投合すること
馬肥ゆ
秋になって馬が肥えてたくましくなる
馬の耳に風
人の意見を聞き流していること。馬耳東風
馬の耳に念仏
いくら説得しても効果がない
狼(おおかみ)
狼に衣
上辺だけは善人に見せかけて中身は凶悪であること
【か行】
狐(きつね)
狐に小豆飯
油断できないこと
狐につままれる
狐に化かされたようになにがなんだかわからない
狐の子は頬白(つらじろ)
子が親に似ていること
狐を馬に乗せたよう
安定しないさま
もしくは言うことが信じがたい様子
鯨(くじら)
鯨に鯱(しゃちほこ)
つきまとって害してくるもの
【さ行】
猿(さる)
猿に烏帽子
人間性に合わない服装や言動
猿も木から落ちる
達人も時には失敗する
獅子(しし)
獅子身中の虫
内部に身を置き恩恵を受けながら、害をなす存在
獅子の子落とし
自分の子供をあえて苦しい環境に置いて、器量を試すこと
獅子の歯噛み
恐ろしく怒り狂うさま
【た行】
虎(とら)
虎になる
ひどく酔っぱらう
虎の威を借る狐
権力者の権威を盾にして威張る者
虎の尾を踏む
非常に危険な行為をする
虎を野に放つ
猛威を振るうものをその力を発揮できる状態に置くこと
もしくは、禍いになるものを取り除かなかったがために、のちのち大きな害を残すこと
【な行】
猫(ねこ)
猫に鰹節
猫のそばに大好物の鰹節を置いている状況のように油断できないこと
猫に小判
価値のあるものを与えてもその価値がわからないものにはなんの意味もないこと
猫の子一匹いない
誰もいない
猫の手も借りたい
多忙で手が足りない状況
猫も杓子も
どんな人も
猫を被る
おとなしいふりをする
鼠(ねずみ)
鼠が塩を引く
少しずつであっても積もり積もると大量になるたとえ
【は行】
豚(ぶた)
豚に真珠
どれほど価値あるものであっても、それがわからないものにとっては価値がない
鳥のことわざ
【あ行】
家鴨(あひる)
家鴨(あひる)の脚絆(きゃはん)
短いもののたとえ
鵜(う)
鵜(う)の真似をする鴉(からす)
自分の実力を知らないで人の真似をするものは失敗する
【か行】
鴨(かも)
鴨が葱を背負ってくる
好都合なこと
鴨の浮寝
気を抜いていられない
鴨の脛(すね)
短いこと
鴨の水搔き
上辺だけ見ていると楽そうだが、実際には苦労していること
烏(からす)
烏が鵜の真似
自分の力量を把握しないまま人のまねごとをすると失敗するということ
烏の髪
黒くつややかな髪
烏の行水
お風呂をあわてて済ますこと
烏の雌雄
物事の善し悪しがまぎらわしいこと
烏を鵜に使う
能力のないものを能力の要るポジションにつけること
雉(きじ)
雉の隠れ
一部だけを隠して他の部分が見えてしまっていること
雉も泣かずば打たれまい
余計な発言をしなければ禍を招かないで済むこと
【さ行】
雀(すずめ)
雀の巣も構(く)うに溜(たま)る
少しずつでも積もり積もれば多くなる
雀の千声(せんこえ)鶴の一声
つまらないものが千の声をあげるより優れたものの一声のほうが効果がある
雀百まで踊り忘れず
小さい頃からの習慣は大きくなってからも変わらない
【た行】
鷹(たか)
鷹は餓えても穂をつまず
節操のある人は困窮しても、道理に反した金品は受け取らない
能ある鷹は爪を隠す
真に才能ある人ほどその才能をひけらかさない
鶴(つる)
鶴の一声
権力者・有力者による一言が人を否応なく従わせること
鶴は千年亀は万年
寿命が長くめでたいこと
鳥(とり)
立つ鳥跡を濁さず
去り行くものはあとが見苦しくないようにすべし
【は行】
鳩(はと)
鳩が豆鉄砲を食ったよう
突然の出来事に驚いているさま
時鳥(ほととぎす)
あの声で蜥蜴食らうか時鳥
見かけによらず驚かされること
おすすめ記事
【作文の書き方のコツ】平和作文・読書感想文・公立中高一貫校対策
形声文字・会意文字・指示文字・象形文字の意味! 具体例で知る漢字