ノビコト

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オリオン座だけじゃない。中学受験にも出る冬の星座の覚え方

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冬のダイヤモンド(六角形)を見つけられますか

冬の夜空というと、オリオン座がよく知られています。冬は1等星が最も多く華やかな季節です。見ているだけで楽しくなります。

 

ちなみにここでいう1等星には、1等級以上の星も含まれます。たとえば、全天で一番明るい星、シリウスの等級は-1.46です。なぜ、マイナスがついているかといえば、星の明るさは「値の小さなものほど明るい」という決まりがあるのです。

 

1等星が多い季節は、受験生にとって暗記する対象が多く大変に感じられることでしょう。この記事ではギリシャ神話を交えて冬の星座について紹介します。

 

 

中学受験では絶対必要。冬の大三角形とダイヤモンド

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冬の星座を紹介する上で欠かせないのが、「冬の大三角形」と「冬のダイヤモンド(六角形)」です。


冬の大三角形は、おおいぬ座のシリウス(写真下)、こいぬ座のプロキオン(写真左)、オリオン座のベテルギウス(写真右)によって構成されます。実は、オリオン座のベテルギウスは、最近急激に暗くなってきました。もともと明るさが変化する変光星ではあるのですが、これほどまでに暗いのは100年ぶり。爆発するのではないかと噂されています。

 

一方、「冬のダイヤモンド」を構成するのは、おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲル、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス、こいぬ座のプロキオン。

 

全天で2番目に明るいりゅうこつ座のカノープスも、受験では頻出なので押さえておきましょう。

 

冬の星座をめぐるギリシャ神話

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以下は冬の星座のギリシャ神話です。いろいろな神話があるものはそのうちのひとつを採用しています。神話を通してぜひ星座を覚えてみてください。

 

恋多きオリオンの受難 恋人の父兄には要注意!

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星座としてはもちろん、オリオン大星雲でも有名です

美貌の狩人オリオンは、オキオス島の王の娘メロペとの結婚を希望していました。しかし、王は娘がかわいくてかわいくて仕方ありません。

 

この結婚を認めてなるものかと、オリオンに「娘と結婚したければ、島に住む獣を退治してこい!」と無理難題をふっかけました。さすが神話というべきか、娘をトロフィーとして扱うことにためらいのない倫理観の乏しさは、初代ドラクエレベルです。


さて、「絶対に失敗するだろう」とほくそ笑む王でしたが、オリオンは難なく獣退治に成功します。王にとっては予想外の展開です。追いつめられた王は、別の(ろくでもない)手を講じることにしました。

 

ある日、王はオリオンを城に招くと、たんと酒を呑ませました。勇ましい狩人オリオンも酒精に浮かされ、デロデロに酔い潰れてしまいます。今がチャンス。そう思った王は、おもむろにオリオンの両目をつぶしました。さすが倫理観の乏しい国王の所業、えげつないです。王は視力を失ったオリオンを城から追い出してしまいました。

 

その後、旅先で出会ったアポロンの力でオリオンは視力を取り戻します。恋多きオリオンは、今度はアポロンの妹のアルテミスと恋仲になりましためでたしめでたし……とはいかないのが神話の世界で、つくづく恋人の身内運(?)に恵まれないオリオン。今度はアルテミスの兄アポロンから、目をつけられてしまいます。

 

二人の仲が気に食わないシスコンもといアポロンは、ある作戦を立てました。あろうことか、遠くにいたオリオンを的に見立て、アルテミスに矢を放つよう促したのです。太陽神のくせに陽の属性のカケラもないこの陰湿さはどうしたことでしょう。

 

その時点でアルテミスが的の正体に気づければよかったのですが、話の都合上ムリだったようです。ふつう気づきそうなものなのに。いくら神話とはいえリアリティラインの設定、そんなゆるゆるでよいのか。なぜそんなわけのわからないモノを、シスコンの兄に促されるままホイホイ射るのかアルテミス。

 

アルテミスは一流の狩人だから、おそらく視力も相当よかったのではないかと推測されます。それでも見抜けなかった。となると、オリオンの巨躯が、米粒から出たカス程度にしか認識できない距離感だったに違いありません。何百メートル離れていたのでしょうか。むしろアポロンの視力がすごい。

 

アルテミスの矢は見事命中し、オリオンはあっけなく絶命しました。動く米のカスの急所を一発で射抜く腕前おそるべし。的の正体に気づいたアルテミスは嘆き悲しみ、オリオンを天に上げたといいます。なお、オリオン座から近い、おおいぬ座とこいぬ座はオリオンの猟犬だという説がある星座です。

 

おうし座 大神ゼウス、恋の着ぐるみ大作戦

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プレアデス星団やヒアデス星団でも有名なおうし座です

ギリシャ神話のなかでゼウス絡みのエピソードは、たいてい女性にアプローチする内容になっています。しかもめちゃくちゃ一方的です。おうし座の神話も例外ではありません。


フェニキアの王女エウロパは美しい女性でした。エウロパの美しさに魅せられた大神ゼウスは、なんとかして彼女の気を引きたいと考えます。そこで思いついた手段があろうことか「牛の姿になること」。着ぐるみを着てにじり寄る変質者を彷彿とさせます。そこに大神としてのプライドはないのかを問いたい。


エウロパは近づいてきた牛に促され、背に乗ります。そのままゼウスは、よしとばかりにエウロパを連れ去ってしまいました。いや、「よし」じゃないんだよ。そのとき上陸した先がエウロパの名前にちなみヨーロッパであるともいわれています。

 

ぎょしゃ座 才知に満ち溢れ勇敢な王

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f:id:nobikoto:20200128145321j:plain上の写真からぎょしゃ座を探せますか?

わりと困った神話が続きましたが、ぎょしゃ座は違います。ぎょしゃ座のモデルになったのは、アテネの王エリクトニウスです。エリクトニウスは生まれつき脚が不自由でした。しかし、才知に満ち溢れた彼は、なんと自分の身体を馬に縛り付けて戦場に臨み、優れた武勇を示したのです。

のちに、エリクトニウスは試行錯誤の末、車いすのようなものを発明するに至ります。戦場で車いすに乗って高い武功をあげ、人々を驚かせました。万事において優れて、尊敬を集めた王は、神々にたたえられ天へ上げられたのだといいます。

 

ふたご座 仲良し双子は卵から生まれた

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仲良し双子は弟のほうが一等星です

ふたご座は一等星と二等星がペアになっています。一等星が弟で、二等星が兄です。なぜ弟のほうが明るい星なのかといえば、それには理由がありました。

 

兄カストルはただの人間でしかありません。しかし、弟ポルックスにはゼウスから受け継ぐ神の血が流れていたのです。「えっ、父親はまたゼウス?」とお思いの方、またゼウスです。


二人の母は美しいスパルタ王妃レダでした。例によってレダの美しさに一目ぼれしたゼウスが、例によって着ぐるみ作戦(はくちょう。志村けんじゃないよ)で誘惑。レダはそのあとふたつの卵を産み落とします。はくちょうだけにまさかの産卵を強いられるレダ。ゼウスは思いきり怒られていい。


ひとつめの卵からは双子の姉妹が、ふたつめの卵からは双子の兄弟が生まれました。この兄弟がカストルとポルックスです。カストルとポルックスは非常に仲が良く強い絆で結ばれていました。

 

ある日、カストルは流れ矢に当たって命を落としてしまいます。不死身のポルックスは、カストルが死んだ世界でこの先、ひとり生き残ることに絶望。ゼウスに「私も死なせてほしい」と頼みました。ゼウスは双子を憐れみ、ずっとそばにいられるよう二人を空に上げました。

 

中学受験の必須暗記項目。初心者にもすぐ覚えられる冬の星座

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まずは大三角形とダイヤモンドから覚えてみましょう

冬の星座は明るくわかりやすいため、天体観測初心者にベストです。

中学受験のためだけに丸暗記しようとしても、星の名前は複雑ですし、かえって記憶に残りにくいもの。物語と照らし合わせて、実際に星々をながめてみてはどうでしょうか。図鑑でだいたいの位置関係をつかめば、すぐに大三角形やダイヤモンドの位置が把握できるようになります。

 

星座を理解することができれば、これまで意味を持たなかった夜空が、物語性を帯びて胸に迫ってくるはず。実際の夜空を見上げながら、神話に想いを馳せてみませんか。

 

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