「早く勉強しないと」と思いながらダラダラしてしまう、あるいは勉強に時間がかかり過ぎてしまうことはありませんか。時間をどう有効活用するかによって、受験の合否は決まります。この記事では、元塾講師の目線から、時間を有効に使うための方法について紹介していきます。
受験において時間を意識することは大切
受験勉強においては時間を意識しなければならない理由は以下のとおりです。
受験当日、上手く時間配分できるかが合否の分かれ目
受験で高得点をとるためには、どの問題を解くか、どの問題を捨てるかの見極めを一瞬でできるようにならなければなりません。また解くと決めた問題はできるだけ短時間で、正確に解かなければなりません。
日頃から時間配分を適切に行えるよう訓練し、正しい感覚を身に着けておく必要があります。この練習をしていないといざ本番を迎えて、実力の半分も発揮できずに終わってしまいかねないのです。
同じ時間をかけるなら少しでも充実した勉強を
あるところに2人の子供がいたとします。その2人の子供が同じ単元を勉強したとして、理解するまでにかかる時間がまったく同じということはあり得ません。子供によってこれまで積み重ねてきた理解度やそもそもの能力が異なるためです。
けれど、ついた差を埋めるために工夫できることもあります。
たとえば、よくあるのが、机に向かって勉強を始めるまでに時間を浪費してしまっているケース。すぐに気持ちを切り替えて集中できる子供はまれです。塾でも「自習する」と居残っているのにフラフラしたり、買い出しに行ったり、せっかく勉強を始めても友達とコソコソ話したりする子供がいて注意を受けていました。
こうならないためには、すぐに勉強に取り掛かることのできる環境作りが欠かせません。その上で、学習内容の効率化を図ることが重要です。
受験勉強で時間を効率的に活用するための対策とは
受験勉強において時間を効率的に活用するための対策は、以下のとおりです。
アラームが鳴ったら自習開始。目標時間の設定を
自室での自習は気が乗らないものですし、自習室での居残りは「友達と話したくなってしまいつい」……なんてことになりかねません。勉強開始時間を遅らせないためにアラームをかけておきましょう。
アラームが鳴ったら机につき、その日の学習計画の作成から取り掛かります。いきなり勉強をしようとするよりハードルが低いはずです。簡単な箇条書きでよいのでやるべき内容ごとに必要な時間の目安を書き出して、目標タイムを決めてください。
学習計画用のノートを一冊作っておくとよいです。紙に書き出すとすぐになくしてしまうので、ノートで管理し、毎日どのぐらい勉強できたかを振り返られるようにしましょう。
想定したとおりにいかなかったのであれば、次回はどのぐらいの時間が適当か、現実的なラインを再考できるはずです。レベルアップをめざして着実に時間を短縮していきましょう。
計算練習ではタイムアップを図ろう
計算問題はスピードと正確さの両方が求められます。毎日一定数、時間を計って解いてみるのがよいでしょう。スピードが上がっているかどうか、正確性が伴っているかどうか、記録をつけてみてください。
記録をもとにグラフを貼りだし、日々更新していくと本人のやる気につながります。一日一日の成長も大切ですが、一週間単位・月単位での伸びを知っておきましょう。
過去問を解く際は本番の時間に合わせて
過去問を時間内に解いて合格点を出せるかどうかが、志望校受験の目安になります。よく時間を計らないまま取り組む子供がいますが、これはお勧めしません。少なくとも初回は時間内に処理が追いつくかどうかを試す必要性があります。
事前に「捨て問」についても塾講師や先生からアドバイスをもらいましょう。解く問題の優先順位を決めておかないと、本番で時間を有効活用できません。
復習にあたっては、理解できるまで時間をかけるのがよいでしょう。その際にもどのぐらいの時間をかけて復習するか目安を決めておいてください。無駄な時間を作らないための戒めになります。
学習内容ごとに時間を決めて臨もう
塾講師として中学受験を指導していた頃、時間を全く意識していない生徒がひとりいました。おっとりしたかわいらしい子でしたが、時計を見る習慣がなく、時間の管理はすべて親任せ。高学年にもかかわらず塾の開始時間さえ把握していませんでした。
「塾は学校が終わると始まって、暗くなると終わるんでしょ?」と言って周囲をびっくりさせていたのを思い出します。当然、勉強も一問一問ゆっくり。そもそも時間を意識したことがないので「〇分ぐらいで解いて」と言われてもその感覚がわからないのです。
これは極端な事例でしょう。しかし、勉強をする際に時間を意識することは大切です。時間への感覚を養わないと、効率的な勉強はできませんし、本番でも時間配分に失敗します。
日々の勉強ではアラーム機能を活用してください。「勉強したくない」気持ちに打ち克つため、開始時間を厳守し、内容ごとに目標時間を設定しましょう。
なお、ダラダラと時間を浪費しないためには、規則正しい生活も大切です。眠気は効率的な勉強を実現する上で最大の敵ですので、早寝早起きを心がけましょう。
睡眠時間についての記事はこちらです。