いよいよ中学受験本番が迫ってきました。多くの受験生が最後の追い上げに必死になる時期です。受験直前の大切な時期なので、ぜひ家庭でも子供の様子を注意深く見ておきましょう。
この記事では、元塾講師兼教育系ライターが、中学受験当日までにおさえておきたいポイントを紹介します。
中学受験直前にやってしまいがちなミスとは
中学受験本番が迫ってきた焦りからやってしまいがちなミスは、以下のとおりです。
中学受験前に睡眠時間を削る
中学受験前に根を詰めすぎて、睡眠時間を削る子供はたくさんいます。中学受験ではどんなに忙しくても最低6時間は睡眠をとりましょう。
ただし、この6時間はあくまでも目安の数字に過ぎません。適切な睡眠時間は個人差が大きいですから見極めが必要です。いずれにせよ、睡眠を短くするとそれだけ体力も低下し、病気にかかりやすくなります。体調管理は受験前に最重要視したい課題です。
なお、一月に学校を休んで中学受験に備える子供の中には、夜遅くまで勉強して、生活リズムを崩すケースもあります。あくまで早寝早起きを心がけましょう。
優先順位がわからない。応用問題を優先して基本問題が疎かに
「過去問レベルを解けるようにならなければ」と張りきるあまり、自分の実力に見合わない応用問題ばかりこの時期に解いてしまう子供をよく見ました。
しかし、手当たり次第、難しい問題に挑むのはタイムロスが大きいです。実力以上の問題に苦戦しているうちに、実力不足のまま当日を迎えかねません。
不安感から集中力が低下する
だいたいの子供が受験が近づくとあわてて勉強し始めますが、中には逆に浮き足立ってしまい、集中できなくなるケースがあります。著しくペースダウンしていないか、日々の学習内容をチェックしておきましょう。
また、この時期不安を紛らわせるために、やたらと得意な単元ばかりやりたがる子供がいます。自信をつけることは大切ですが、大きなタイムロスになります。
中学受験直前にやっておきたい対策とは
中学受験直前にやっておきたい対策は以下のとおりです。
就寝と起床を受験当日を想定したものに
早寝早起きを徹底してください。可能であれば、起きる時間は受験当日の起床予定時間に合わせるとよいでしょう。生活リズムをあらかじめ合わせておくことで、当日実力を発揮しやすくなります。
睡眠時間についての記事はこちら
過去問を分析し優先順位に基づくイメージトレーニングを
塾の先生と過去問を分析し、今年出そうな単元を予想しておきましょう。頻出単元を最優先で固めます。過去問も最新の年度のものを見て、どのレベルの問題が何問目あたりに出るのか、いわゆる「捨て問」はどれなのかを確認しておきましょう。当日は捨て問には手をつけず確実に解ける問題だけ解くようにします。
なお、過去問は古い年度から解き始めると、最新の年度まで追いつかない可能性があるので、最新のものから挑戦するか、余裕をもったスケジュールで取り組みましょう。秋口から余裕があれば三周、なければ二周やります。やるときは必ず当日の時間でタイマーをセットしてください。解けたところまでで一度採点します。
なお、夏ぐらいに過去問に挑戦してみて、合格ラインの3割程度しか解けず愕然とする家庭は多いです。しかし、最初は解けなくて当たり前。だいたいの子供がそれは悲惨な点数をたたき出します。
では、目指すべきラインはいつ、どのぐらいなのでしょうか。志望校にもよりますが、11月で合格ラインの7割前後というのがひとつの目安でしょう。直前となる冬にはなんとか合格ラインまで仕上げたいものです。
過去問を分析し、やるべき単元を把握したら、まずは基本レベルでとりこぼしているところがないかを探します。大手塾であれば、基本問題のチェックができる教材があるはずです。一例としては「四科のまとめ」(四谷大塚)が挙げられます。
子供の不安感が強い場合は無理をさせないで
不安で集中できない場合は、なるべく塾の自習室で勉強するようにしましょう。本人がひとりでぼーっとする時間を減らすような環境作りが大切です。
この時期は、過去問の点数が悪すぎて、受かる自分が想像できなくなり混乱するケースが多発します。そういう場合は、あえて過去問から離れるのも手です。悩みが深く本人が辛そうなのであれば、専門の医療機関に相談するようにしましょう。
受験を悲観する子供の記事はこちら
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親子ともどもラストスパート。子供の健康を第一に温かい声かけを
「受験直前に詰め込んでも意味がない」とよく言いますが、あながちそうでもありません。最後まで必死に食らいつけば、合否を分ける一点をとれるかもしれないからです。
しかし、だからといって無理な勉強はやはり禁物。冬は病気になりやすい季節でもあります。体調管理を第一に睡眠と栄養を意識した、規則正しい生活を送るようにしてください。その上で過去問を分析し、頻出単元を基礎から固めて、解く順や捨て問を把握するようにしましょう。
本番一週間前ごろからイメージトレーニングをしておくと、当日実力を発揮しやすいです。子供のストレスもピークなので、家庭では喝入れよりも温かい声かけを優先するようにしましょう。
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