少子化の時代にもかかわらず、塾の競争は激化しています。乱立する塾を前に「どの塾を選んだらよいかよくわからない」と頭を抱える人も多いことでしょう。
この記事では個別指導と集団授業、それぞれのメリット・デメリットを挙げ、どんな塾選びをすれば成績が上がるのかを紹介します。
個別指導ってどんなもの?
その名のとおり、生徒一人ひとりをフォローしてくれる指導です。
「個別」と聞くと講師1名に対し生徒1名のイメージが強いかもしれませんが、実際には「1:1」もしくは「1:少人数」の形式になっています。
「完全個別指導」を謳っている塾は基本的に「1:1」です。
しかし、筆者の知るケースでは「完全マンツーマン」を謳いつつ「1:少人数」という塾もあったので、念のためホームページやパンフレットをよく読み込んでおきましょう。
集団授業ってどんなもの?
集団とひと口に言っても、大人数から少人数まで、塾の規模や方針によってさまざまです。
たとえば、小人数制を採用している塾であれば、集団授業といいながら、人数構成だけ見ると「1:少人数」型の個別指導とさして変わらない、ということもあり得ます。
個別指導と異なるのは、年間のカリキュラムが決まっていて、それが毎年ブラッシュアップされている点です。
個別指導と集団授業、それぞれのメリットって?
個別指導と集団授業のメリットは以下のとおりです。
個別指導のメリット
・授業のレベルを生徒に合わせてくれる
・人数が少ないため質問がしやすい
集団授業のメリット
・カリキュラムが洗練化されている
・ライバルがいることで、競争心を持てる
・個別指導に比べて費用が安い
個別指導は「生徒一人ひとりをフォローできること」が売りです。
苦手単元でつまずいてしまい、集団授業にはついていけない子供は、個別指導を選択するのがよいでしょう。
集団授業のレベルについていける生徒は、個別指導を選ぶ必要はありません。
個別指導と集団授業のデメリットって?
個別指導と集団授業のデメリットは以下のとおりです。
個別指導のデメリット
・授業のペースが落ちやすい
・授業のレベルが下がりやすい
・アルバイト講師が多い
・集団授業に比べ費用が高い
集団授業のデメリット
・授業ペースについていけないと落ちこぼれる
・質問がしづらい
・講師の目が行き届かない
個別指導にも集団授業もメリットばかりではありません。
それぞれデメリットもあるため、選ぶ際には注意が必要です。
個別指導のデメリットを要約すると、「生徒が授業の主導権を握りがちなこと」だと言えます。
つまり、生徒のレベルに合わせるあまり、そこからの引き上げが上手くできないケースがとても多いのです。
加えて、個別指導は講師と生徒の距離が近く、なれ合いになりやすい傾向にあります。大学生のアルバイト講師の割合が多いのもその一因と言えるでしょう。
ただし、「アルバイト講師だから指導力がない」ということにはなりません。
アルバイトの中にも指導に長けた講師はいます。
正社員講師とアルバイト講師の最も大きな違いは、わからない問題があったときの対応です。
アルバイト講師は時間給ですから、授業時間外の質問対応は期待しないようにしましょう。
集団授業のデメリットは、授業に一度つまずくと雪だるま式にわからないところが増えてしまいがちな点です。
集団授業では、ひとりの生徒がついていけないからといって、授業のペースを変更することはありません。
つまり、授業についていけないとそのまま落ちこぼれるリスクがあります。
仮に落ちこぼれても、講師は生徒につきっきりというわけにはいきませんから、フォローするのが難しいです。
学力を上げるためにはどういう塾を選ぶべきか
では、学力を上げるためにはどういう塾を選ぶべきなのでしょうか。
おすすめなのは集団授業と個別指導の両方のコースを設けている塾に入り、状況に応じて臨機応変に使い分けるやり方です。
たとえば最初、集団授業を受けていたもののついていけず、個別指導に切り替えたとします。
その場合、塾と相談し、「この時期をメドに集団授業に戻る」という目標を掲げましょう。
集団授業のカリキュラム内容を追いかけながら、苦手単元の克服をし、集団授業に戻れると判断されるだけの実力をつけるのです。
こういうやり方をとれば、個別指導の弊害でペースやレベルが落ちてしまうということはありません。
子供の成績や性格によって、ベストな方法は異なりますが、個別指導は期間限定で、集団授業のフォローのために利用するのがおすすめです。
おすすめ記事
【元塾講師】中学受験塾選び!御三家・難関校・中堅校狙い各おすすめ
ダメな塾・ダメな塾講師の特徴。元塾講師が教えるチェックポイント
ホームページを鵜呑みにしない! 通うべき塾の選び方。先生の給与や待遇も大切?
元塾講師が教える、勉強に対してやる気のない子供(小・中学生)への対処法