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ノビコト

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公立中高一貫校を「受検」。滑り止めに私立中学校を併願するか

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最近、公立中高一貫校が人気を集めています。公立中高一貫校を「受検」(入試の性質上、「受験」ではなく「受検」)する場合、思考力型・PISA型を含める適性検査型入試の対策を講じなければなりません。

 

私は塾講師時代、公立中高一貫校を受検する生徒と私立の中高一貫校を受ける生徒の両方を指導した経験があります。初めて公立中高一貫校を受検する生徒を持ったときに、「こんなにも求められる能力が私立中学校と異なるのか」と驚愕しました。入試の傾向が大きく違うということは、併願しづらいということでもあります。

 

この記事では、公立中高一貫校を目指す場合、滑り止めに私立中学校を併願すべきかどうかを紹介します。

 

 

そもそも公立中高一貫校はなぜこんなにも人気? 背景に学費の安さ

教育に力を入れている親であれば、子供によりよい学びの場を与えたいと考えるものです。公立中高一貫校は独自の教育方針を掲げているところが多く、個性の光る高度な教育が受けられます。

 

おまけになんといっても費用が安いのが魅力。

 

ただし、学校によって差はあります。首都圏だけ見ても、初年度は制服代込みで17万円ぐらいの学校から39万円ぐらいかかる学校までと、その開きは大きいです。ただし、私立中高一貫校だと初年度だけで100万円前後はかかるのが平均だと考えると、その差は歴然としています。

 

近年は私立中学校と併願しやすい傾向に

最近、私立中学校でも適性検査型入試を取り入れるところがかなり増えてきました。つまり、公立中高一貫校と私立中高一貫校は併願しやすくなりつつあります。

 

なぜこうした流れがあるかといえば、公立中高一貫校を受験する優秀な人材に、私立の中高一貫校が目をつけたからです。

 

とびぬけて有名な私立中高一貫校は黙っていても生徒が集まりますが、そうではない私立中高一貫校は、ひとりでも多く優秀な生徒を獲得すべく熾烈な競争を繰り広げています。

 

そこで、立てた策が、「公立中高一貫校で落ちた優秀な生徒を自分の学校で拾い上げよう」というものです。公立中高一貫校の倍率は高く激戦が続いているため、有効な作戦だといえるでしょう。

 

ただ、「優秀な生徒を一人でも多く確保し、我が校も進学校の仲間入りをしたい」という狙いからもわかるとおり、適性検査型入試を取り入れている学校の偏差値は際立って高くはありません。

 

それでも私立中学校と併願することにメリットはある

「お金もかかる」「レベルもいまいち」となれば、私立中学校と併願することにメリットはないように感じる人も多いでしょう。しかし、実際にはそんなことはありません。なぜなら「テスト慣れ」するための予行練習になるからです。

 

いきなり第一志望校を受けることほど怖いものもありません。塾講師になってわかったことに、「テスト慣れ」の重要性があります。というのも、初回のテストは大抵の子供が低い偏差値を出してしまうのです。

 

二回目のテストでは、急に偏差値が20~30上がったケースも少なくありません。この点数アップの背景には、本人が次のテストに向けて努力したというのももちろんあります。しかし、それ以上に、初回だと効率よく問題が解けないのです。落ち着きをなくして、時間配分や優先順位を見誤ってしまう子供が続出していました。

 

本命校でのパニックを予防するためにも、私立中高一貫校は「テスト慣れ」目的で併願してみてはどうでしょうか。

 

ただし、問題の傾向が似ていて(適性検査型入試を採用していて)、受かりそうなところがよいです。問題の傾向の異なる難関校を受けて、「全然歯が立たなかった……」となると、本命校に臨む前に自信を喪失しかねません。

 

本命の公立中高一貫校で不合格。滑り止めの私立にだけ合格したら

滑り止めに私立中高一貫校を併願するということは、「私立は経済的に難しいから公立中高一貫校を狙っていたのに、学費の高い私立中高一貫校しか受からなかった」という事態も、当然あり得ます。

 

「私立中学には受かったけど、やっぱり金銭的に通わせられないし、地元の学校に通おうよ」とは親も言い出しづらいですよね。この辺りはあらかじめ、どうするかについて親子でよく話し合っておくとよいです。

 

ちなみに、経済面での可否を検討する上で知っておきたい情報として、地元の公立校よりも私立中学のほうが塾代において安上がりである点を押さえておきましょう。

 

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

【私立か公立か】子供の教育費っていくらぐらい? 知っておきたいお金の話

 

私立中学校を併願するメリットは大きいが、あらかじめ親子間で取り決めを

公立中高一貫校狙いの子供が、私立中高一貫校を併願するメリットは大きいです。

 

適性検査型入試を導入している私立中高一貫校を先に受けて、公立中高一貫校を後に受けると「テスト慣れ」できます。

 

ただし、私立中高一貫校にしか受からない可能性もありますので、その場合どうするかはあらかじめ話し合っておきましょう。うっかり親子喧嘩に発展しては大変です。

 

検査型入試を突破するためにはとにかく問題集を絞ってやりこむことです。

2025年度受検用 公立中高一貫校適性検査問題集 全国版 (公立中高一貫校適性検査問題集シリーズ)

最新版は2020年7月発売です。

 問題集もピンキリです。定評のある問題集を周回して、着実に実力をつけていきましょう。

 

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