CMでもよく知られる四谷大塚の全国統一小学生テスト。返ってきた結果に、「こんな偏差値じゃ中学受験なんて夢のまた夢では」とがっかりしている家庭も多いことでしょう。
この記事では、元中学受験専門塾講師が、全国統一小学生テストの偏差値について説明します。
- 悪い結果でも大丈夫。特に初回は偏差値が低い
- 小学5年生まで偏差値が低いケースも
- そもそも全国統一小学生テストは偏差値がとりにくい
- 上がり下がりの幅が激しい子供も
- 全国統一小学生テストの対策授業をしている塾もある
- 全国統一小学生テストの結果は気にし過ぎない
悪い結果でも大丈夫。特に初回は偏差値が低い
勤めていた塾で、こんな事例がありました。小学校4年生で初めて全国統一小学生テストを受けて、結果、偏差値45だった女の子。お母さんはがっくりして「45……これ大丈夫なんでしょうか」と不安げです。
それもそのはず、女の子の第一志望は偏差値70以上、地域で最難関の中学校でした。しかし、教える側から見ると、本人の実力は確実に45以上あります。
そこで、「この偏差値は気にしないでください。次のテストでは恐らくグンと上がります」と力強く答えました。
実際、次のテストで偏差値は一気に70まで上がり、皆で大喜びしました。ちなみに、その翌年には小学3年生の男の子でもほぼ同様の変遷を経験しています。
それにしても、この大幅な偏差値アップの理由はどこにあるのでしょう。
実はこれはテスト経験の少なさからきています。「テスト慣れ」というのは意外と大切です。時間配分、優先順位。学年が低い子供ほど、こうした感覚が身についていません。
目の前の問題を一問一問頑張って解くだけで、いっぱいいっぱいなのです。まして、今まで経験したことのないような形式のテストであれば、不安に足を引っ張られます。解答欄の書き間違えをはじめ、さまざまなミスが起こり得るのです。
小学5年生まで偏差値が低いケースも
努力型の子供だと、小学5年生ぐらいまで偏差値で伸び悩み、最後の追い上げでぐんと伸びるケースもよく見ます。そのため、「こんな成績ではあの中学校は無理」だと早々に決めつけるのはやめておいたほうがよいです。
「背伸びばかりして滑り止めをほとんど受けない」ようでは危険ですが、ハイレベルな第一志望を掲げること自体は、モチベーションアップにも一定の効果があります。長い目で子供の成績を見てあげるとよいでしょう。
そもそも全国統一小学生テストは偏差値がとりにくい
全国統一小学生テストを受けに来るのは、教育熱心な家庭の子供たちです。
そのため、仮に偏差値50だったとしても、それは「全国の小学生の真ん中」を意味しません。真ん中よりも間違いなく上の実力です。
ですから、偏差値が低いからといって落ち込む必要はありません。
上がり下がりの幅が激しい子供も
テストのたびに偏差値が10前後上がり下がりし、親は一喜一憂……というケースもよくあります。しかし、偏差値の乱高下自体はまったく珍しくありません。子供にも得意不得意がありますし、ケアレスミス大量発生、なんてこともあり得るのです。
何度か高い偏差値がとれているのなら、ポテンシャルはあるのですから、あとは本番に向けて、問題を満遍なく解けるよう実力を固めていけばOK。テストの回数を重ねて、経験不足や緊張から来るミスを着実に減らしていきましょう。
全国統一小学生テストの対策授業をしている塾もある
全国統一小学生テストを控えた時期に、対策授業のようなものを無料で行っている塾もあります。調べて参加してみるとよいでしょう。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
【四谷大塚・早稲アカ】全国統一小学生テストで必須のマル秘対策! - ノビコトwww.nobikoto.com
無料授業と聞くと、いかにも営業のにおいがしますよね。実際そのとおりで、無料授業をやる背景には、「今後通う塾として検討してほしい」という狙いがあります。
ただ、私の知る塾では、そんなにしつこい営業はしていませんでした。授業後に「本番頑張ってくださいね」と声かけをして終了。相談がある人にだけ話を聞いていました。
塾として好感を持ってもらえれば、目標達成だからです。「いつか入塾を検討してくれたらラッキーだな」程度でした。しつこくされたら、大半の人は入塾したくなくなりますしね……。
全国統一小学生テストの結果は気にし過ぎない
そもそも、テストはよいときもあれば悪いときもあるもので、一回のテストにだけこだわっていても実力のすべてがわかるわけではありません。
一回のテストでわかるのは、出題された範囲の理解度のみです。弱点を把握し、ひとつひとつ着実につぶしていきましょう。
全国統一小学生テストを受けるような子供たちはどうやって勉強しているのか、疑問に思っている家庭も多いでしょう。中学受験塾に入る前に、通信教育で勉強している子供は多く、比率としてはやはりZ会が圧倒的です。
早くからサピックス入塾を意識している家庭だと、幼稚園や保育園のうちにこちらを活用しているケースも少なくありません。
こぐま会教材、提携SAPIX(サピックス)ピグマの「幼児通信教育モコモコゼミ」
なお、小学生向けの通信教育にはピグマキッズクラブがあります。
サピックス入室についてはこちらの記事でも取り扱っています。
【落ちる前に】サピックスの入室テストの合格率と対策! - ノビコトwww.nobikoto.com
もちろん、テストでよい結果を出すためには日頃の勉強が大切です。しかし、全国統一小学生テストは不慣れな子供には難しいテストです。あまり結果にとらわれず、他のテスト結果や普段の様子なども合わせて、総合的に実力を把握するようにしてください。
偏差値の見方については以下の記事でも紹介しています。
偏差値50は真ん中? 中学受験を目指す上で、知っておきたい偏差値の見方
模試についてはこちらの記事で紹介しています。
中学受験のおすすめ模試はコレ!日能研・四谷大塚・サピックス・首都圏 - ノビコトwww.nobikoto.com
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